打出す(読み)ウチダス

デジタル大辞泉 「打出す」の意味・読み・例文・類語

うち‐だ・す【打(ち)出す】

[動サ五(四)]

太鼓などを打ちはじめる。「鐘を―・す」
㋑(「撃ち出す」とも書く)鉄砲などを打ちはじめる。また、弾丸などを打って出す。「大砲を―・す」
金属などを裏から打って模様を表に出す。「唐草模様を―・した飾り金具
芝居・相撲などで、その日の興行が終わった合図に太鼓を打つ。「観客を送る太鼓を―・す」
主張などをはっきり示す。提案する。「具体策を―・す」
コンピューターのデータを紙に印刷する。プリントアウトする。「会議の資料を―・す」
はっきりと口に出す。
「実の女の口よりえ言はぬ事を―・して言ふゆゑ」〈難波土産発端
[可能]うちだせる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「打出す」の意味・読み・例文・類語

うち‐だ・す【打出】

  1. 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
  2. 打って物を出す。また、撃って弾丸などを飛び出させる。
    1. [初出の実例]「たからを打出すうちでのこづちも汝にとらせ」(出典:虎明本狂言・夷大黒(室町末‐近世初))
    2. 「覘(ねらひ)を定めて打ち出す機関砲は」(出典:趣味の遺伝(1906)〈夏目漱石〉二)
  3. 打ち始める。
    1. [初出の実例]「草むらに寐所かゆる行脚僧〈丈草〉 明石の城の太鼓うち出す〈去来〉」(出典:俳諧・星会集(1709))
  4. 興行の終演を知らせる太鼓を打つ。
    1. [初出の実例]「打出す太皷に数万の見物」(出典:洒落本・深川手習草紙(1785)序)
  5. 金具などを裏から打って、模様を表面に浮き出させる。また、色ガラスで模様を浮き出させる。
    1. [初出の実例]「表に模様が打ち出してあったり」(出典:三四郎(1908)〈夏目漱石〉一二)
  6. 検地をして地積を増す。
  7. 勝負事などでもうける。
    1. [初出の実例]「アノ ヒトワ バクチデ タカラヲ vchidaita(ウチダイタ)」(出典:日葡辞書(1603‐04))
  8. ( 「うち」は接頭語 ) 勢いよく出す。外側に突き出す。
    1. [初出の実例]「シャウゾンワ タダイマ モノマイリト マウシテ vchidasu(ウチダス)」(出典:天草本平家(1592)四)
  9. ( 「うち」は接頭語 ) ひょいと口に出す。また、はっきりと主張などを示す。
    1. [初出の実例]「わが心中をば同行の中へうち出してをくべし」(出典:実悟旧記(16C))
    2. 「人心をとらえる政策を打ちだすことはできない」(出典:わたしの崋山(1965)〈杉浦明平〉六)

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