病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 「抗甲状腺剤」の解説
抗甲状腺剤
《チアマゾール製剤》
メルカゾール(あすか製薬、武田薬品工業)
《プロピルチオウラシル製剤》
チウラジール(ニプロESファーマ)
プロパジール(あすか製薬、武田薬品工業)
甲状腺のはたらきが活発になりすぎて、甲状腺ホルモンの分泌が過剰になると、
甲状腺ホルモンがつくられるためには、ヨードという成分が必要です。抗甲状腺剤は、甲状腺に取り込まれるヨードの量を抑え、甲状腺ホルモンの過剰分泌を低下させる薬です。
抗甲状腺剤を服用し始めると3~4か月で症状が消えてきますが、完治させるためには1~2年以上服用する必要があります。また、甲状腺機能亢進症の症状(手指の震え、発汗、
①過剰に使用すると、甲状腺の機能低下や
②過敏症状(
そのほか、脱毛、色素沈着、
①いずれも錠剤で、食後の服用が原則です。1日あるいは1回の錠数、服用時間については、医師の指示をきちんと守り、かってに中止したり、減量・増量しないでください。
②服用の効果が現れるまでには、数日から数週間かかります。かってな判断で中止したり、服用量を変えたりしないでください。
③服用中は、激しい運動や著しく体力を消耗する作業は避けてください。
④以前にこの薬で過敏症状をおこしたことのある人、プロピルチオウラシル製剤では服用後に肝機能が悪化した人などは使用できません。あらかじめ医師にその旨を報告してください。無顆粒球症などの副作用で咽頭痛、発熱の症状がみられた場合には、すぐ医師に連絡してください。
チアマゾール製剤では、少なくとも使用開始後2か月間は原則として2週に1回、それ以降も定期的な血液検査が指示されます。必ず受けてください。
⑤肝障害や中等度以上の白血球減少またはほかの血液障害のある人、妊婦、現在妊娠する可能性のある人には、使用量に配慮をしないと、病状を悪化させたり胎児に悪影響を及ぼすこともあります。このような人はあらかじめ医師にその旨を報告してください。
⑥薬の成分が母乳に混じり、乳児の甲状腺のはたらきに悪影響を及ぼす危険があります。服用中は母乳による授乳は避けてください。
⑦ほかの薬を使う必要がある場合は、必ず医師に相談してください。これらの薬と、ワルファリンカリウム製剤などの抗凝血剤やジギタリス製剤などと併用すると、血中濃度が変動して副作用が現れやすくなります。
出典 病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版について 情報