支払保証(読み)しはらいほしょう

日本大百科全書(ニッポニカ)「支払保証」の解説

支払保証
しはらいほしょう

小切手の支払人(金融機関)が小切手金額の支払義務を負う行為(小切手法53条~58条)で、小切手の信用度を高めることを目的とする。小切手の表面に「支払保証」その他支払いをする旨の文字を表示し、日付を付して支払人が署名することを要する。また、支払保証は単純であることを要し、支払保証によって小切手の記載事項に加えた変更は、その記載がないものとみなされる。支払保証人は、すべての小切手所持人に対し支払義務を負うが、為替(かわせ)手形の引受人のように絶対的な義務でなく、呈示期間内に小切手の支払呈示があった場合および支払拒絶証書または支払拒絶宣言の作成手続がとられた場合に限り、支払いの義務を負う。ただし、銀行実務のうえでは、ほとんど支払保証は行われず、実質的に同じ効果をもつ自己宛(あて)小切手(預金小切手)の発行をもってかえられている。

[井上 裕]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「支払保証」の解説

支払保証
しはらいほしょう

小切手の支払人がその金額の支払義務を負担する小切手行為。小切手は信用証券ではなく為替手形における引受けの制度がないので,小切手の支払いを確実なものとするために,従来,支払人である銀行が小切手金額の支払いをみずから保証し,小切手面上に「支払保証」という記載をする慣習があり,これを文化した制度。支払保証をした支払人はすべての所持人に対して支払義務を負うが,引受人の義務とは異なり絶対的なものではなく,最終の遡求義務ともいうべきものである。もっとも支払保証は現在では行われず,これに代えて支払人である銀行は自己宛小切手を振出すのが通例となっている。

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精選版 日本国語大辞典「支払保証」の解説

しはらい‐ほしょう しはらひ‥【支払保証】

〘名〙 小切手の支払人が、みずからその金額の支払を保証すること。現在では、銀行の自己宛小切手(預金小切手)に代用されている。〔東京朝日新聞‐明治三六年(1903)一二月二五日〕

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世界大百科事典 第2版「支払保証」の解説

しはらいほしょう【支払保証】

小切手に関する制度。銀行(その他の金融機関)は,自己を支払人とする小切手が振り出されることにより小切手の所持人に対して小切手の支払をする小切手上の義務を負担するものではないが,支払人が小切手に支払保証のを記載したときは,支払人は,示期間内に小切手が支払のために呈示されることを条件として小切手の支払をする義務を負うことになる(小切手法55条)。これが支払保証であり,小切手の流通の円滑化を図るために利用しうるものであるが,最近の日本ではこの制度は実際にはほとんど利用されておらず,銀行が自己を支払人として振り出す自己宛小切手がそれに代わる機能を果たしている。

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