放伐(読み)ホウバツ

精選版 日本国語大辞典 「放伐」の意味・読み・例文・類語

ほう‐ばつハウ‥【放伐】

  1. 〘 名詞 〙 悪政を行なう君主を討ち帝位から追放すること。中国の思想で、易姓(えきせい)革命を認めるもの。特に、夏(か)桀王虐政を行なったので、殷(いん)湯王諸侯を率いて桀王を伐ったことをいう。
    1. [初出の実例]「堯舜の禅授、湯武の放伐(ハウバツ)」(出典翁問答(1650)下)
    2. [その他の文献]〔顧璘‐鳴蛙賦〕

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普及版 字通 「放伐」の読み・字形・画数・意味

【放伐】ほう(はう)ばつ

暴君を伐ち、放逐する。〔孟子、梁恵王下〕齊の宣王問うて曰く、湯、を放ち、武王、紂を伐つと、(こ)れるかと。

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旺文社世界史事典 三訂版 「放伐」の解説

放伐
ほうばつ

中国で儒学的に認められた革命の方式
天下を統治する資格のない不徳な天子を武力で追放し,新王朝を建てることをいう。殷の湯王 (とうおう) ,周の武王および元以後の王朝交替にみられる。

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世界大百科事典(旧版)内の放伐の言及

【禅譲放伐】より

…その殷王朝も紂(ちゆう)が周の武王に誅伐されて滅んだ。これが放伐の始まりである。この理想的形態の禅譲も現実的方法としての放伐も,孟子が放伐を殷周聖王の事跡として是認して以来,ともに儒家の認めるところとなった。…

※「放伐」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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