教育機会確保法(読み)きょういくきかいかくほほう

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

教育機会確保法
きょういくきかいかくほほう

不登校の子供に、学校外での多様な学びの場を提供することを目的とした法律。正式名称は「義務教育段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」(平成28年法律第105号)。自由民主党、公明党、民進党、おおさか維新の会(現、日本維新の会)など超党派の議員立法で2016年(平成28)12月に成立・公布、同時に一部が先行施行された(2017年2月完全施行)。不登校の児童生徒が通いやすい民間のフリー・スクールや公立の教育支援センター、特別な教育課程をもつ不登校特例校など、学校以外の教育機会を確保する施策を国と自治体責務とし、必要な財政支援に努めるよう求めている。
 教育機会確保法は、学校復帰を大前提としていた従来の不登校対策を転換し、学校外での「多様で適切な学習活動」の重要性を指摘。不登校児童・生徒の無理な通学はかえって状況を悪化させる懸念があるため、子供たちの「休養の必要性」を認めた。こうしたことを踏まえ、国や自治体が子供の状況を継続的に把握し、子供とその親には学校外施設などさまざまな情報を提供するよう求めている。また、第二次世界大戦後の混乱などで義務教育を受けられなかった人が通う夜間中学への就学機会の提供も盛り込んだ。文部科学省によると、2015年度に不登校を理由に30日以上欠席した小中学生は約12万6000人おり、全体に占める割合は1.26%と過去最高になった。そのうち出席日数が年10日以下の小中学生は約1万3000人いる。フリー・スクールは2015年3月時点で全国に474か所あり、少なくとも約4200人の小中学生が通っている。[矢野 武]

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

教育機会確保法

学校復帰を前提にした従来の不登校対策を転換し、不登校の子どもに学校以外での多様な学びの場を提供することを目的とした法律。昨年2月に全面施行された。民間のフリースクールや公立の教育支援センターなどを確保する施策を国と自治体の責務とし、必要な財政支援に努めるよう求めている。

(2018-05-04 朝日新聞 朝刊 ちば首都圏・1地方)

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デジタル大辞泉の解説

きょういくきかいかくほ‐ほう〔ケウイクキクワイカクホハフ〕【教育機会確保法】

《「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」の略称不登校の児童生徒に対する教育の機会の確保、夜間などに授業を行う学校における就学機会の提供などの施策に関して、基本理念や国・地方公共団体の責務などを規定した法律。平成28年(2016)成立。

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