(読み)カン

デジタル大辞泉 「敢」の意味・読み・例文・類語

かん【敢】[漢字項目]

常用漢字] [音]カン(呉)(漢) [訓]あえて
困難・障害を押し切って行動を起こすこと。思い切って。「敢行敢然敢闘果敢勇敢
[名のり]いさみ・いさむ

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精選版 日本国語大辞典 「敢」の意味・読み・例文・類語

なえなへ【敢】

  1. 「できる」意の動詞「あう(敢)」の未然形の上代東国方言。
    1. [初出の実例]「障(さ)へ奈弁(ナヘ)ぬ命(みこと)にあれば愛(かな)し妹が手枕離れあやにかなしも」(出典万葉集(8C後)二〇・四四三二)

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普及版 字通 「敢」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 12画

[字音] カン
[字訓] つつしむ・あえて

[説文解字]
[金文]

[字形] 象形
金文字形は、を以て鬯酒(ちようしゆ)をそそぎ、儀礼の場所を清める鬯の礼を示す。厳恭の意で、極度につつしむ意。敢てその尊厳のことを行うので、つつしんでの意より、敢てするの意となる。「敢て」とは、つつしんでの意。周初の〔令彝(れいい)〕に「敢て尹の休(たまもの)に揚(こた)へ」「敢ての賞を丁に(およ)ぼし」というのは、「つつしみて」の意。〔説文〕四下に「み取るなり」と敢為の意とするのは、のちの転義。本来は神事に関していう。金文の〔(ろくしゆうゆう)〕に「淮夷、敢て國を伐つ」とあるのは、本来あるべからざる行為を、敢てなすことをいう。

[訓義]
1. つつしむ、あえて。

[古辞書の訓]
名義抄〕敢 アヘテ・ベケムヤ・エ・マカス・ススム・ヲカス・カシコマル

[声系]
〔説文〕に敢声として・嚴(厳)など六字、また嚴声として儼・巖(巌)など五字を収める。は金文に厳の字義に用い、その初文。みな敢の声義を承ける。

[熟語]
敢為敢往敢諫敢悍敢毅・敢擬・敢決敢言・敢行敢作敢死敢士敢辞敢爾敢戦・敢然敢争敢断・敢当敢任・敢問・敢勇
[下接語]
果敢・忠敢・不敢・武敢・勇敢

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