数表(読み)スウヒョウ(その他表記)mathematical table

デジタル大辞泉 「数表」の意味・読み・例文・類語

すう‐ひょう〔‐ヘウ〕【数表】

さまざまな性質を示す数値を、計算などに利用しやすいように表にしたもの。平方表・立方表・三角関数表対数表・統計数値表など。数値表。

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精選版 日本国語大辞典 「数表」の意味・読み・例文・類語

すう‐ひょう‥ヘウ【数表】

  1. 〘 名詞 〙 いろいろな計算をした結果を表にまとめ、再計算を省略するために用いるもの。平方表、平方根表複利表、対数表など。

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改訂新版 世界大百科事典 「数表」の意味・わかりやすい解説

数表 (すうひょう)
mathematical table

数値表とか関数表などと呼ばれる。応用上よく用いられる関数に対して,xのいろいろな値におけるその関数値fx)を表にしたものが数表である。\(\sqrt{x}\)の値を表にした平方根表,log10xを与える常用対数表やlogexによる自然対数表,三角関数sin x,cos x,tan xなどを与える三角関数表など,各種の初等関数に対する数表は古くから知られ実用に供されてきた。また特殊関数に対する数表も重要で,例えばベッセル関数Jnx)のように前世紀のはじめ惑星の運動論で扱われて以来,その関数値は各種の具体的な応用数学の問題の解法に用いられてきた。近年はマイクロコンピューターなど計算機の発達に伴って,数表をひくよりも直接計算によるほうが便利な場合が多く,しだいにコンピューターに頼るようになりつつある。これら数表とは別系統のものとして,ガウス分布t分布,χ2分布などの確率分布の数表があり,数理統計学における推定検定の実際に欠くことができない。そのほか,素数の表をはじめとする種々の数論的な表にも膨大なものがあって,研究面にも役だってきたが,そこでもコンピューターの役割が増してきている。異色な大型の数表として,1960年前後にイギリスローヤル・ソサエティによって編纂へんさん)された数表のシリーズがあり,その中には特殊関数の表,二項係数表,直交座標-極座標変換表など10種類をこえる数表が含まれている。
数値解析
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「数表」の意味・わかりやすい解説

数表
すうひょう
mathematical table

関数 f(x) に対して,独立変数 x に対応する f(x) の値を求め,これを表にまとめたもの。ときには,実験室で得られた経験的数値表をも含めていうことがある。数学上の特殊計算,工学,天文学,物理学,化学,統計法など応用科学における計算作業の労を省くために作成された数値の一覧表として生れた。おもな数表としては各種の数学上の定数,累乗,対数関数,円関数,指数関数,双曲線関数,素数と原始根,指数表,階乗,二項係数,ベルヌーイ数とオイラー数,三角関数とラジアン,楕円積分,Γ 関数,ベッセル関数,関数の数値解法における近似公式の係数,統計数値表などがある。

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