敷石住居址(読み)シキイシジュウキョシ

デジタル大辞泉 「敷石住居址」の意味・読み・例文・類語

しきいし‐じゅうきょし〔‐ヂユウキヨシ〕【敷石住居×址】

縄文時代の建物跡の一種地表あるいは掘り下げた面に多数の石を敷きつめてある。関東中部地方にみられる。

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精選版 日本国語大辞典 「敷石住居址」の意味・読み・例文・類語

しきいし‐じゅうきょし‥ヂュウキョシ【敷石住居址】

  1. 〘 名詞 〙 縄文時代中期後半から後期住居址一つ床面に扁平な河原石などを敷きつめた住居址。関東地方西部から中部地方東部にかけて分布する。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「敷石住居址」の意味・わかりやすい解説

敷石住居址
しきいしじゅうきょし

床面に平石を敷いた住居址状遺構。縄文時代中期後半から後期前半にかけて、関東地方西部から福島県、中部地方東部にまでみられる。直径5メートル前後の円形または方形に扁平(へんぺい)な川原石、平石を敷き詰め、中央に石囲いや炉をもつものが一般的である。周辺部のみに石を巡らしたもの、一部に張り出し部のある柄鏡(えかがみ)形のもの、埋甕(まいよう)や張り出し部のみ敷石のもの、柄鏡形で敷石のないものなど種々ある。敷石住居址からは埋設土器のほかに、石棒(せきぼう)、凹石(くぼみいし)、石皿(いしざら)、石斧(せきふ)、敲石(たたきいし)が出土することが多く、炉の中から焼けた獣骨が出ることもある。

 敷石住居址の性格は、一般住居説、一般住居中の祭祀場(さいしじょう)説、共同祭式の場説などという見方がある。柱穴、炉、埋甕の存在からは住居の性格が強いが、敷石の祭壇呪術(じゅじゅつ)的遺物の存在からは祭祀的性格が強い。縄文中期後半の環境悪化に対応した祖霊崇拝、狩猟儀礼の場がとくに必要になったからと考えられる。

[十菱駿武]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「敷石住居址」の意味・わかりやすい解説

敷石住居址
しきいしじゅうきょし

平たい石を円形,あるいは部分的に敷いた床をもつ住居址。縄文時代中期の後半から後期の初めにかけての短い期間のもので,東京神奈川静岡山梨長野群馬などに分布する,きわめて特殊な遺構である。なかには炉跡もなく,あっても火を使った痕跡のないものもあり,一般住居として用いられていなかったものもあると考えられている。

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