料所(読み)リョウショ

デジタル大辞泉 「料所」の意味・読み・例文・類語

りょう‐しょ〔レウ‐〕【料所】

領地特定所用の料にあてるための領地。
「不断如法経の―にぞ擬せられける」〈太平記一一

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精選版 日本国語大辞典 「料所」の意味・読み・例文・類語

りょう‐しょレウ‥【料所】

  1. 〘 名詞 〙 ( 料物を徴収する所領の意 ) 領地。特定の所用の料にあてるための所領。また、特に中世以後、皇室幕府・有力大名の領地を御料所(ごりょうしょ)という。
    1. [初出の実例]「備後国、被附高野大塔修理料所、可知行之由、可御下知之旨、院御気色所候也」(出典高野山文書‐延慶二年(1309)四月一一日・伏見院々宣)
    2. 「当国に針庄とて、西金堂の御油の料(レウ)所あり」(出典:源平盛衰記(14C前)四六)

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「料所」の解説

料所
りょうしょ

特定の目的にあてるための所領。中世,荘園の多くは,年貢・公事(くじ)を特定の行事や堂舎の維持などの料とする名目で立荘された。したがって荘園の大半はなんらかの料所である。寺社領の場合,それぞれの荘園は大仏灯油・御影供(みえいく)・大塔修理などにあてるための料所と位置づけられていた。料所のうち天皇家領の,天皇や上皇の生活の資にあてる荘園はとくに御料所とよばれた。そして,室町幕府江戸幕府将軍家経費をまかなう直轄領や蔵入地(くらいりち)も同じく御料所と称された。

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世界大百科事典(旧版)内の料所の言及

【公方御料所】より

…当時の史料上に見える言葉で,今日的意味で厳密に使われているわけではない。〈料所幷預地〉と表現している例があり,この場合は直臣に預け置いた所領を料所と区別すべきものと考えていると見られる。また,酒屋,土倉よりの貢納銭である納銭方とか,白布棚,大刀屋座の公事銭なども料所と呼んでいるから,料所=直轄地と言い換えると誤解を生むことになろう。…

※「料所」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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