新宿町(読み)にいじゆくまち

日本歴史地名大系 「新宿町」の解説

新宿町
にいじゆくまち

[現在地名]葛飾区新宿一―六丁目・金町かなまち一丁目・同四丁目・柴又しばまた一―四丁目・東金町ひがしかなまち一丁目・高砂たかさご五―八丁目・南水元みなみみずもと一丁目

中川左岸に位置。西は中川を隔て青戸あおと村・亀有かめあり村および足立郡長右衛門ちようえもん新田(現足立区)、東は金町村・柴又村、南は曲金まがりがね村、北は飯塚いいづか村・下小合しもこあい村。日光道中の宿場である千住宿(現足立区)から分岐する水戸・佐倉道の最初の宿場。町の南で常陸国水戸に向かう水戸道と下総国佐倉へ至る佐倉道に分れる。亀有村との間の中川には渡しが置かれた。永禄一一年(一五六八)と推定される八月八日の北条家朱印状(早稲田大学所蔵文書)によると、新宿に一日四疋の伝馬役が賦課されており、これ以前から当地に宿が形成されていたと考えられる。天正一〇年(一五八二)と推定される五月九日の遠山直景伝馬手形(武州文書)によると、遠山直景が僧侶に対して伝馬手形を発給しており、江戸・浅草・葛西新宿かさいにいじゆくなどの地名がみえる。新宿の下に「但是者臼井迄」とあり、臼井うすい(現千葉県佐倉市)までの街道(近世の佐倉道に相当)の存在が知られる。

田園簿に新宿とみえ、田一千二〇七石余・畑三六四石余、ほかに野銭永一貫一九文。旧高旧領取調帳では本高一千六二六石余のほか、同町新田として高一石余。文政改革組合村では周辺二四ヵ村の寄場村であった(改革組合石高家数村名録)。「風土記稿」によれば、小名に上宿かみしゆく・中宿・下宿・金阿弥きんあみ町があり、曲金村細田ほそだ村との間にある飛地は諏訪野と称した。


新宿町
しんしゆくまち

[現在地名]川崎区ほん町一―二丁目・堀之内ほりのうち

北は南河原みなみかわら(現幸区)、南は堀之内村に接する。東海道川崎宿四町の一つ。久根崎くねさき町とともにしも町を構成。田園簿に「川崎新宿町」とみえる。近世を通し幕府直轄領。町内を通る東海道往還の長さ三一〇間。町内に川崎用水の分水路二本が通り、東海道往還と交差する地点には享保一四年(一七二九)田中丘隅により石橋が架けられている(川崎年代記録)。寛永元年(一六二四)正月からの川崎宿伝馬継立の中心地域。


新宿町
しんしくちよう

[現在地名]小田原市はま町二丁目・同四丁目

古新宿こしんしく町の北、よろつ町の東、東海道沿いの通町。東は小田原城下の江戸口から山王原さんのうはらに通ずる。稲葉氏時代の小田原城大手口変更で北に付替えられた東海道に面して形成された新町。このため従来の新宿町を古新宿町と改称したという(風土記稿、日本城郭大系)

貞享二年(一六八五)の小田原町明細書上(県史九)によれば宿場町として本人足一五人を負担した。


新宿町
しんじゆくちよう

[現在地名]宇都宮市大通おおどおり一丁目・同五丁目・仲町なかまち

東は上河原かみがわら町、南は大工だいく町に接し、西はてら町に続く東西の町。松平忠弘時代の城下図(東大史料編纂所蔵)にみえる町人町。寛永一一年(一六三四)上河原町で開催されていた市が新宿町に移され、三・八の六斎市で活気を呈した。新宿市の上市では東から木綿座店・紙座・わげ入座(曲師)・小間物座などが五尺間口で店を張って開かれた(宇都宮故実抄)


新宿町
しんじゆくまち

[現在地名]館山市新宿

北条ほうじよう村の枝郷で、同村の南に位置する。寛永一六年(一六三九)に枝郷新宿村として成立、のち新町と称し、正徳二年(一七一二)新宿町に改めたという(安房国町村誌)鹿野山かのうざん道に沿って街村を形成し、本村と同じく里見氏による館山城下町建設では同城下に含まれていたと思われる。領主の変遷は本村に同じであったと考えられる。「万石騒動実録」に町名がみえ、高一七石余で、北条藩領。ほかに北朝夷きたあさい(現千倉町)円蔵えんぞう院領(旧高旧領取調帳では高六斗余)があった。天明七年(一七八七)の北条藩領分村鑑明細帳(加藤家文書)では年貢米四升余・同永三貫五〇五文余、家数四八、男一一七・女一〇四、馬六。


新宿町
しんしゆくまち

[現在地名]三島市西本町にしほんちよう栄町さかえちよう西若町にしわかちよう

六反田ろくたんだ町の西にあった町。天正一四年(一五八六)一二月二五日の北条家朱印状写(新編相模国風土記稿)に「三島新宿」とみえ、不入と主張して紺屋役を納めないうちの一所とされる。寛文八年(一六六八)の拝借米渡帳(三島市誌)によると町の長さ一五八間。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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