日本大百科全書(ニッポニカ) 「日本中小企業政治連盟」の意味・わかりやすい解説
日本中小企業政治連盟
にほんちゅうしょうきぎょうせいじれんめい
政治団体。1956年(昭和31)4月11日、中小企業の振興と社会的地位向上を目的に設立された。総裁は鮎川義介(あいかわよしすけ)、参与に藤山愛一郎(あいいちろう)らが就任。略称中政連。最盛時には500支部、70万人の会員を擁した。中政連は岸信介(のぶすけ)内閣期に最大の政治的圧力を発揮し、1957年11月に1000万人の署名を集めて「中小企業団体の組織に関する法律」を制定させた。また中小企業事業税の軽減や、法整備の運動においても、1959年5月に中小企業退職金共済法、商工会法などを制定させた。他方で運動の理念や方向をめぐって意見の不一致が次第に表面化し、日本中小企業団体連盟(略称日中連)との確執や、1959年6月参議院選挙における会員の大量違反事件もあって組織の弱体化を招いた。池田隼人内閣期以降、組織の再結束を図り、1963年3月に中小企業近代化促進法、同年7月に中小企業基本法の制定に取り組んだ。1970年代以降は、中小企業に関する法律の整備が進んだことや、会員の高齢化に伴って著しい組織の減退に見舞われた。現在は政治資金規正法の対象団体で、政策要求や選挙支援などの活動を行っている。2010年(平成22)2月現在、支部として存続しているのは静岡県浜松、島根県松江支部など4支部。
[吉田健二]