日本交通公社(読み)にほんこうつうこうしゃ

精選版 日本国語大辞典 「日本交通公社」の意味・読み・例文・類語

にほん‐こうつうこうしゃ ‥カウツウコウシャ【日本交通公社】

旅行会社。明治四五年(一九一二創立ジャパンツーリストビューローを前身とする。昭和二〇年(一九四五財団法人日本交通公社となり、同三八年に営業部門が独立して株式会社設立。財団法人は観光調査・研修事業などを行なっている。平成一三年(二〇〇一)より、正称は株式会社ジェイティービー。交通公社。

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デジタル大辞泉 「日本交通公社」の意味・読み・例文・類語

にほん‐こうつうこうしゃ〔‐カウツウコウシヤ〕【日本交通公社】

日本最大の旅行業者。明治45年(1912)設立の「ジャパン‐ツーリスト‐ビューロー」が数度の改組改称を経て、昭和20年(1945)現名称の財団法人となったのち、昭和38年(1963)営業部門を分離して株式会社としたもの。さらに平成13年(2001)社名を「ジェイティービー」に改称した。同名の財団法人は観光調査・研修事業などを行っている。

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改訂新版 世界大百科事典 「日本交通公社」の意味・わかりやすい解説

日本交通公社 (にほんこうつうこうしゃ)

日本人の国内・海外旅行,外国人の訪日旅行など旅行営業のほかに,《時刻表》《旅》などの出版事業も営む世界最大の旅行業者。1912年,日本交通公社の前身である国際旅客奨励会〈Japan Tourist Bureau(ジャパン・ツーリスト・ビューロー)〉が,外国人客を日本に誘致し,これら外国人客のために諸般便宜をはかる目的で,鉄道院が中心となって会員組織で設立された。したがって,当初は外国人に対する鉄道院の委託乗車券の発売と日本観光への誘致のための宣伝に活動は絞られていたが,その後乗船券や旅館券など券種の拡大のほか,日本人の旅行も手がけるようになった。1941年東亜旅行社と改称し,42年財団法人に改め,43年東亜交通公社と改称した。

 第2次大戦後の45年9月に財団法人日本交通公社として新発足し,英語名も〈Japan Travel BureauJTB)〉と改称した。63年には営業部門を分離独立させて株式会社JTB(登記社名ジェイティービー)を設立し,財団法人の方は公的な調査・研修部門を受け持つこととなった。株式会社移行後は,旅行需要の急成長とともに積極的な営業活動を行い,68年には海外旅行の企画商品〈ルック〉を,72年には国内旅行の企画商品〈エース〉をおのおの販売開始した。そのほか,宿泊,貨物,商事などの関連事業にも力をいれている。支店・営業所を国内に323ヵ所,海外に71ヵ所持ち,従業員数約1万人(2004年現在)である。2004年の資本金23億円,主要株主は財団法人日本交通公社(31%),JR東日本(22%),JR東海(13%)で,非上場である。営業収益2552億円(2004年3月期)。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「日本交通公社」の意味・わかりやすい解説

日本交通公社
にほんこうつうこうしゃ

日本を代表する旅行・観光分野の研究調査機関。英語表記はJapan Travel Bureau Foundation、略称JTBF。訪日外国人の接遇を目的として1912年(明治45)3月に設立されたジャパン・ツーリスト・ビューロー以来、数度にわたる改組や名称変更が行われ、1945年(昭和20)財団法人日本交通公社となる。旅行・観光に関する研究調査に加えて、シンポジウム・セミナーなどの開催、出版物の刊行、「旅の図書館」の運営など、観光文化の振興のための公益面での活動を行っており、2012年(平成24)4月に公益財団法人に移行している。なお、1963年に営業部門を分離して設立された株式会社日本交通公社は、日本最大の旅行業者となり、2001年株式会社ジェイティービーと改称した。

[橋本俊哉]

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世界大百科事典(旧版)内の日本交通公社の言及

【旅行業】より

…これが現在の(株)日本旅行の創業といわれている。また外国人客誘致と接遇のために,これより先1893年にジャパン・ツーリスト・ビューローの前身といわれる喜賓会(きひんかい)Welcome Societyが設立され,これが現在の日本交通公社に引き継がれている。外国における近代的旅行業の創始者はイギリスのクックで,彼は1841年禁酒会の団体旅行を組織した。…

※「日本交通公社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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