(南 文枝 ライター/2017年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
将棋道の普及発展を図り国際親善の一翼を担うことを目的として、棋士及び女流棋士(タイトル獲得者または女流四段以上)の正会員で組織される団体。1924年(大正13)に設立された東京将棋連盟が1927年(昭和2)日本将棋連盟、さらに将棋大成会と改称、1947年(昭和22)ふたたび日本将棋連盟となり、1949年社団法人の認可を得、2011年(平成23)公益財団法人に移行した。
連盟の運営は棋士総会で選出された理事により遂行される。2018年11月1日時点で四段以上の正会員は238(現役165、引退61、女流12)人。ほかに、指導棋士68人、奨励会棋士(三段~六級)183人、女流棋士59人(うち12人は正会員)がいる。
おもな事業は全国の新聞、雑誌、テレビなどと契約し対局棋譜の提供と解説、講評。月刊誌、棋譜の刊行。大会、講習会の開催。支部、教室の設置。各種団体へ棋士派遣など。プロ棋戦には、竜王戦、名人戦、棋聖戦、王位戦、王座戦、棋王戦、王将戦、叡王(えいおう)戦の八つのタイトル戦のほか、七つの公式棋戦がある。また女流プロの女流名人位戦など6タイトルのほか、アマチュアの全国大会(竜王戦、名人戦など)や小学生から大学生までを対象とした学生大会などを行っている。
[原田泰夫 2019年3月20日]
将棋道の普及発展のため,四段以上の専門棋士で組織する唯一の団体。東京,東海,関西に各本部がある。1924年に東京将棋連盟がつくられたが全国組織とはならず,27年日本将棋連盟への改称を経て,36年将棋大成会として名実ともに唯一の棋士の全国組織になった。第2次大戦中に中断したが,45年再建を決め,48年社団法人日本将棋連盟に改組し現在に至っている。棋士養成機関の奨励会を持ち,全国と海外の一部にアマチュアで組織された支部がある。アマチュアの段位認定を行い,通信講座も設けている。専門棋士による公式戦は名人戦など15,連盟が共催しているアマチュアの棋戦はアマ名人戦をはじめ職域,女流,学生,高校,小・中学生戦と多様で,連盟後援の棋戦にいたってはおびただしい数にのぼる。月刊誌や棋書,年鑑,有段者名簿など出版活動も盛んである。82年に関西将棋会館内に将棋博物館を開設した。現役と引退の棋士を含めて約120名(1984現在)が所属する。
執筆者:増川 宏一
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… 将棋師の小集団は離合集散を繰り返していたが,21年関根金次郎が13世名人になったのを機会に,各派合同の機運が高まり,24年〈東京将棋連盟〉が結成された。〈東京将棋連盟〉の結成は大阪で名人に就位した坂田との対立を生んだが,27年大阪の木見金治郎八段が組織していた〈棋正会〉が〈東京将棋連盟〉に合流し,東京の組織も発展解消して新たに〈日本将棋連盟〉がつくられ,大方の統一が達成された。その後,坂田は大阪朝日新聞の嘱託を辞し,同時に大阪朝日新聞専属の将棋師会〈十一日会〉が結成されて大阪朝日新聞と日本将棋連盟との和解工作がはじまったが,同時に特定の集団や後援者による名人就位に疑義や批判も高まった。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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