日本詩人(読み)にほんしじん

改訂新版 世界大百科事典 「日本詩人」の意味・わかりやすい解説

日本詩人 (にほんしじん)

詩誌。1921年10月創刊,26年11月終刊。全59冊。新潮社発行。詩人大同団結をうたって1917年に結成された詩話会から21年3月に北原白秋三木露風,日夏耿之介ら芸術派の詩人が脱退し新詩会を結成したが,その分裂後の詩話会の機関誌。白鳥省吾百田宗治福士幸次郎福田正夫川路柳虹佐藤惣之助萩原朔太郎らが交代で編集を担当した。民衆詩派牙城とも目されたが,会員外の寄稿も求め,新人の発掘につとめるなど詩壇の公器的存在としての役割をはたした。特集号に《ポオル・クロオデル号》《回想のイェーツ号》《バイロン記念号》《トラウベル追悼号》《ロシア現代詩壇号》《河井酔茗氏五十年誕辰紀念号》《野口米次郎紀念号》などのほか,一般から公募した詩編で構成した《新詩人号》《第二新詩人号》がある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「日本詩人」の意味・わかりやすい解説

日本詩人
にほんしじん

詩雑誌。 1921年 10月~26年 11月。 59冊。 17年に結成された詩話会 (詩人団体) の機関誌。『現代詩人選集』の人選問題から北原白秋,三木露風,日夏耿之介,西条八十,堀口大学らの芸術詩派が詩話会から脱退したので,民衆詩派口語詩人たちの拠点と化した。百田 (ももた) 宗治白鳥省吾が中心になり,福士幸次郎,福田正夫,川路柳虹佐藤惣之助らが活躍。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「日本詩人」の意味・わかりやすい解説

日本詩人
にほんしじん

詩雑誌。1921年(大正10)10月創刊、26年11月終刊。全59冊。新潮社発行。詩人の大同団結を目ざして1917年(大正6)11月に結成された詩話会の機関誌で、白鳥省吾(しろとりせいご)、百田宗治(ももたそうじ)、福士幸次郎、福田正夫、川路柳虹(りゅうこう)、佐藤惣之助(そうのすけ)、萩原朔太郎(はぎわらさくたろう)らが順次、編集を担当した。全体として民衆詩派系列の印象が強いが、広く各傾向の詩、評論、研究、翻訳その他を集め、先輩詩人を顕彰し、新詩人の紹介に努めるなど、詩壇の公器的存在としての役割を果たした。復刻版『日本詩人』(1970・日本図書センター)がある。

[飛高隆夫]

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