白鳥省吾(読み)シロトリセイゴ

デジタル大辞泉 「白鳥省吾」の意味・読み・例文・類語

しろとり‐せいご【白鳥省吾】

[1890~1973]詩人宮城の生まれ。民衆詩派を結成し、芸術派と対立した。詩集大地の愛」、評論集「民主的文芸の先駆」など。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「白鳥省吾」の意味・読み・例文・類語

しろとり‐せいご【白鳥省吾】

  1. 詩人。宮城県出身。早稲田大学英文科卒。大正三年(一九一四口語自由詩の新しい方法によって、処女詩集「世界の一人」を出版。同七年「民衆創刊とともにこれに参加民衆派を代表する一人となる。ほかに詩集「大地の愛」、訳詩集「ホイットマン詩集」など。明治二三~昭和四八年(一八九〇‐一九七三

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

20世紀日本人名事典 「白鳥省吾」の解説

白鳥 省吾
シラトリ ショウゴ

大正・昭和期の詩人



生年
明治23(1890)年2月27日

没年
昭和48(1973)年8月27日

出生地
宮城県栗原郡築館町

学歴〔年〕
早稲田大学英文科〔大正2年〕卒

経歴
築館中在学中から「秀才文壇」に投稿を始める。大正3年処女詩集「世界の一人」を刊行、口語自由詩創成期を代表する作品といわれる。この頃からホイットマンに傾倒し、7年大正デモクラシーの流れをくむ民衆詩運動に参加。15年「地上楽園」を創刊し後進を育てた。昭和36年日本農民文学会会長。主な詩集に「大地の愛」「楽園の途上」「共生の旗」「灼熱氷河」「北斗の花環」、訳詩集「ホイットマン詩集」、評論集に「民主的文芸先駆」「現代詩の研究」などがある。また民謡・童謡・校歌なども数多く作った。61年出身地の築館町から「白鳥省吾の詩とその生涯」が出版された。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「白鳥省吾」の意味・わかりやすい解説

白鳥省吾 (しろとりせいご)
生没年:1890-1973(明治23-昭和48)

詩人。宮城県生れ。1913年早大英文科卒。1906年から《秀才文壇》《劇と詩》などに詩を発表して第1詩集《世界の一人》(1914)を刊行した。17年に結成された詩話会の中心的詩人の一人となり,18年から詩壇の一勢力となった民衆詩派の代表的詩人ともなって,詩集《大地の愛》(1919)に民衆詩派詩人の特色を発揮した。その詩は着実な現実味を持った平明な口語自由詩で,それを〈行分けの散文〉だと批判した芸術派の北原白秋と詩の芸術性をめぐる論争を展開したりした。大地舎を設立して雑誌《地上楽園》を発行し,民謡の創作や研究にも力を入れ,多くの詩人を育成した。民謡集,訳詩集,評論集などの著書もある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「白鳥省吾」の意味・わかりやすい解説

白鳥省吾(しろとりせいご)
しろとりせいご
(1890―1973)

詩人。宮城県栗原(くりはら)郡築館(つきだて)村(現栗原市)に生まれる。林作・きねよの次男。家は農家。築館中学を経て、1913年(大正2)早稲田(わせだ)大学英文科卒業。中学在学中に『秀才文壇』に投稿。第一詩集『世界の一人』(1914)は口語自由詩創成期を代表する詩集であった。福田正夫の『民衆』(1918創刊)に加わり、民衆詩運動を推進。詩集『大地の愛』(1919)、訳詩集『ホイツトマン詩集』(1919)などによって農民への善意を示した。『現代詩の研究』などの評論集もあり、第二次世界大戦後は千葉市に住んで詩集『北斗の花環』、随筆『文人今昔』などのほか、多くの民謡・歌謡を残した。

[古川清彦]

『『白鳥省吾自選詩集』(1969・大地舎)』『『文人今昔』(1978・新樹社)』


白鳥省吾(しろとりしょうご)
しろとりしょうご

白鳥省吾

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「白鳥省吾」の意味・わかりやすい解説

白鳥省吾
しらとりしょうご

[生]1890.2.27. 宮城,築館
[没]1973.8.27. 千葉
詩人。本名,省吾 (せいご) 。 1913年早稲田大学英文科卒業。人見東明の『劇と詩』などに参加,詩集『世界の一人』 (1914) を口語自由詩で発表して早大系の自然主義詩人として注目された。 W.ホイットマンの民主主義的,自然詩人的詩風に共鳴し『ホイットマン詩集』 (19) を『草の葉』から抄訳刊行して,福田正夫,百田宗治,富田砕花ら民衆詩派のリーダー的存在となり,日夏耿之介,萩原朔太郎,西条八十,室生犀星,佐藤春夫ら芸術派と対抗する大正詩壇の雄となった。『大地の愛』 (19) ,『楽園の途上』 (21) ,『共生の旗』 (22) などの詩集にはデモクラシーに立脚した農民詩,反戦詩ないし厭戦詩が多い。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「白鳥省吾」の解説

白鳥省吾 しろとり-せいご

1890-1973 大正-昭和時代の詩人。
明治23年2月27日生まれ。大正3年口語自由詩初期の代表的作品「世界の一人」を刊行,以後ホイットマンに傾倒し,民衆詩運動を推進。おおくの民謡,歌謡ものこした。昭和48年8月27日死去。83歳。宮城県出身。早大卒。詩集に「大地の愛」「共生の旗」,評論集に「現代詩の研究」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

367日誕生日大事典 「白鳥省吾」の解説

白鳥 省吾 (しらとり しょうご)

生年月日:1890年2月27日
大正時代;昭和時代の詩人。日本農民文学会会長
1973年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android