日本逸史(読み)ニホンイッシ

デジタル大辞泉 「日本逸史」の意味・読み・例文・類語

にほんいっし【日本逸史】

江戸中期の歴史書。40巻。鴨祐之編。元禄5年(1692)成立。散逸した「日本後紀」を復原する意図で、「類聚国史」「日本紀略」などから記事抄出し、延暦11年(792)から天長10年(833)までを編年順に収録

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精選版 日本国語大辞典 「日本逸史」の意味・読み・例文・類語

にほんいっし【日本逸史】

  1. 江戸中期の史書。四〇巻。鴨祐之編。元祿五年(一六九二)成立、享保九年(一七二四)刊。散逸した「日本後紀」四〇巻を復元するために編んだもので、延暦一一年(七九二)から天長一〇年(八三三)までの史実を「類聚国史」「日本紀略」などから抄出、編年体で収録。

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改訂新版 世界大百科事典 「日本逸史」の意味・わかりやすい解説

日本逸史 (にほんいっし)

江戸時代,鴨祐之が,当時散逸していた《日本後紀》の復元を試みて編纂した書。40巻20冊(ほかに考異1冊)。1692年(元禄5)完成,1724年(享保9)刊。《類聚国史》をはじめ,各種の史料から文を集め,792年(延暦11)から833年(天長10)までの《日本後紀》の原文を復元している。引用書や編纂方法に問題があり,《日本後紀》の写本の一部が発見され,復元が進んだ今日では,その重要さは減じている。《新訂増補国史大系》所収
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「日本逸史」の意味・わかりやすい解説

日本逸史
にほんいっし

平安時代初期を扱った歴史書。鴨祐之(かものすけゆき)が1692年(元禄5)に編集した。桓武(かんむ)天皇の792年(延暦11)から淳和(じゅんな)天皇の833年(天長10)までの編年体の通史である。漢文。40巻、考異一巻からなる。六国史(りっこくし)のうち『日本後紀』が早くから散逸して伝わらないので、これを補うため『日本紀略』その他の文献から当代の史料を拾い集めて完成した。本書の草稿本は京都の上賀茂(かみがも)神社にあり、一般には1724年(享保9)刊本が流布した。

[福井 保]

『『新訂増補国史大系 巻八』(1965・吉川弘文館)』

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旺文社日本史事典 三訂版 「日本逸史」の解説

日本逸史
にほんいっし

江戸中期の歴史書
1692年成稿,1724年刊。40巻。京都下賀茂社の鴨祐之 (かものすけゆき) の編。『日本後紀』が散逸したのを原形に復そうとし,792〜833年の史実を諸書からとり,出所を注記し,編年体で編修した。

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