六国史(読み)りっこくし

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

六国史
りっこくし

奈良~平安時代に,政府の修史事業の結果完成した次の6歴史書総称。『日本書紀』『続日本紀 (しょくにほんぎ) 』『日本後紀』『続日本後紀』『日本文徳天皇実録』『日本三代実録』。政府は引続いて『新国史』を編纂していることから,当時からの呼び名ではない。『新国史』が未完成で流布しなかったため,後世この6書を『六国史』と呼びならわした。文献に出るこの呼び名は,瑞渓周鳳の『善隣国宝記』 (1470) がいちばん古いが,6書を一括して考える見方は,すでに平安時代から存在した。『古事記』『類聚国史』『栄花物語』『大鏡』などの歴史を扱った書物とは異なり,(1) 天皇の命を受け,政府部内に担当部局を設置して編纂した点,(2) 編年体で漢文体をもって記述した点で共通した性格をもっている。以後このような形での歴史の編纂は江戸時代末期まで試みられなかった。明治に入って,1869年政府部内に修史局をおき,三条実万を総裁に任命した目的は,この『六国史』以降の歴史を編修するためであり,これがその後,形を変え『大日本史料』となった。

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百科事典マイペディアの解説

六国史【りっこくし】

勅撰の六つの国史,すなわち,《日本書紀》《続日本紀(しょくにほんぎ)》《日本後紀(にほんこうき)》《続日本後紀》《日本文徳天皇実録》《日本三代実録》の総称。漢文の編年体で,奈良・平安時代に編集。これによって神代から887年に至るまでの国史が残された。古代史根本史料
→関連項目国史大系政事要略大日本史料帝王編年記日本紀略本朝世紀類聚国史

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とっさの日本語便利帳の解説

六国史

奈良から平安にかけて編集された歴史書。▽『日本書紀』、『続日本紀』、『日本後紀』、『続日本後紀』、『文徳実録』、『三代実録』

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世界大百科事典 第2版の解説

りっこくし【六国史】

日本古代,律令国家によって編纂された正史の総称。《日本書紀》《続日本紀(しよくにほんぎ)》《日本後紀》《続日本後紀》《日本文徳天皇実録》《日本三代実録》をさし,神代から光孝天皇の仁和3年(887)に至る。編年体の体裁をとるが,死去の個所にその人物の伝を載せるなどのことにより,中国正史の史体である紀伝体の特色をも取り入れている。後になるほど,史書としての体裁や叙述の方法に整備が見られ,また歴代天皇の実録としての性格を強めるが,官府の史書としての性格から,編纂者の個性が歴史叙述の上に現れることはまれである。

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大辞林 第三版の解説

りっこくし【六国史】

奈良・平安時代に編修された六つの官撰国史の総称。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

六国史
りっこくし

官撰(かんせん)の6種の国史の総称。奈良・平安時代に編纂(へんさん)された『日本書紀』『続日本紀(しょくにほんぎ)』『日本後紀』『続日本後紀』『日本文徳(もんとく)天皇実録』『日本三代実録』がそれである。国史の編纂は古く、7世紀、聖徳太子のときに『天皇記』以下が完成したといわれるが、現在は伝わらない。天武(てんむ)朝(672~686)に史局が開設され、それが『日本書紀』となって720年(養老4)に完成した。以来、相次いで国史が編纂され、これによって神代から887年(仁和3)までの国史が残された。いずれも中国の史書に倣った編年体の漢文の国史で、薨卒(こうそつ)の条には詳しい伝記をのせて、紀伝体を兼ねる。なかでも『文徳実録』『三代実録』は記述が豊富で、記事が正確である。これらすべてが古代史研究の根史料である。六国史以後もしばしば史局が開設され、官撰の国史の編述が計画されたが、いずれも完成しなかった。[林 幹彌]
『坂本太郎著『六国史』(1970・吉川弘文館)』

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精選版 日本国語大辞典の解説

りっ‐こくし リク‥【六国史】

奈良・平安時代に編纂された六種の勅撰国史書。「日本書紀」「続日本紀」「日本後紀」「続日本後紀」「日本文徳天皇実録(文徳実録)」「日本三代実録(三代実録)」の総称。いずれも漢文編年体。神代以来、仁和三年(八八七)までの古代史の根本史料。六史。ろっこくし。

ろく‐こくし【六国史】

ろっ‐こくし ロク‥【六国史】

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世界大百科事典内の六国史の言及

【続日本紀】より

…《日本書紀》につぐ勅撰史書。六国史の第2。漢文編年体で,文武1年(697)1月から延暦10年(791)12月までを含み,全40巻。…

【続日本後紀】より

…日本古代の史書。六国史の第4。20巻。…

※「六国史」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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