官撰(かんせん)の6種の国史の総称。奈良・平安時代に編纂(へんさん)された『日本書紀』『続日本紀(しょくにほんぎ)』『日本後紀』『続日本後紀』『日本文徳(もんとく)天皇実録』『日本三代実録』がそれである。国史の編纂は古く、7世紀、聖徳太子のときに『天皇記』以下が完成したといわれるが、現在は伝わらない。天武(てんむ)朝(672~686)に史局が開設され、それが『日本書紀』となって720年(養老4)に完成した。以来、相次いで国史が編纂され、これによって神代から887年(仁和3)までの国史が残された。いずれも中国の史書に倣った編年体の漢文の国史で、薨卒(こうそつ)の条には詳しい伝記をのせて、紀伝体を兼ねる。なかでも『文徳実録』『三代実録』は記述が豊富で、記事が正確である。これらすべてが古代史研究の根史料である。六国史以後もしばしば史局が開設され、官撰の国史の編述が計画されたが、いずれも完成しなかった。
[林 幹彌]
『坂本太郎著『六国史』(1970・吉川弘文館)』
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奈良・平安時代に,律令国家により編集された「日本書紀」「続日本紀」「日本後紀」「続日本後紀」「日本文徳天皇実録」「日本三代実録」の六つの正史の総称。神代から887年(仁和3)までの国家の発展,政治情勢の推移など,歴史の大勢を知ることができる。中国の史書にならった漢文の史書で,編年体の叙述形式をとるが,臣下の薨卒(こうそつ)伝には個人の詳しい伝記をのせて紀伝体の特色もとりいれている。古代史の最も根本的な史料。
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…《日本書紀》につぐ勅撰史書。六国史の第2。漢文編年体で,文武1年(697)1月から延暦10年(791)12月までを含み,全40巻。…
…日本古代の史書。六国史の第4。20巻。…
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