自然崇拝の一形態。古来しばしば人類は種々の自然現象を崇拝・畏敬(いけい)の対象としてきたが、夜空にかかる天体の運行もその一部をなす。しかし、一般に高文明地域の外では星についての信仰や神話は、他の自然現象への信仰に比して少ない。実際、採集狩猟民では少数の顕著な天体や星座以外には特別な名称や説話が存在しないことが多い。もっとも、これはあくまで一般論であって、たとえば採集狩猟民である南アフリカのサン人(俗称「ブッシュマン」)の場合をとっても、カラハリのクン・サン人では個々の星座は識別されず、名称もないが、ケープのサン人は動植物や掘棒(ほりぼう)の名をもつ多くの星座を識別するなど、地域差がみられる。農耕民では農業暦と結び付いて星についての知識が発達している場合がみられる。日本でも昴(すばる)はとくに播種(はしゅ)の時期を知らせる星として重要である。また、ポリネシア人のような航海術にたけた人々の間では星についての知識もかなり発達し、神話も多い。
だが、星についての細かい知識と信仰とが大いに発達したのは、概して高文明地域においてである。とくに古代バビロニア、カルディアでは、星の運行、配置から人間や社会の運命が予知できるとする占星術が発達を遂げ、それは一方においてヘレニズム期のヨーロッパに入り、他方インドや中国にも伝わって梵(ぼん)暦や易経のなかに取り込まれ、体系化された。これとは別個に新大陸の高文明、とくにマヤでは、天文知識と精緻(せいち)な暦法が発達し、それと並行して占星術も栄えた。このような体系化された占星術は、日本へも中国から暦法などとともにもたらされたが、民間への影響は小さかった。日本の民間にも星占いは存在するが、それは主として農耕と関連するものである。とくにてんびん星などとよばれるさそり座の三星は、その年の穀物の豊凶を占うものとされた。
[瀬川昌久]
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