マヤ(読み)まや(英語表記)Maya

翻訳|Maya

デジタル大辞泉 「マヤ」の意味・読み・例文・類語

マヤ(〈スペイン〉maya)

マヤ族

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「マヤ」の意味・読み・例文・類語

マヤ

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] Maya ) 古代、ユカタン半島、グアテマラ、ホンジュラスなどの中央アメリカに栄えた文明、および、それをつくった民族。→マヤ族マヤ文明

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「マヤ」の意味・わかりやすい解説

マヤ

メキシコ南部のユカタン半島,グアテマラを中心とする地域に分布する先住民で,一般にマヤ諸語を母語とするインディオの総称。→アメリカ・インディアン〔マヤ文化〕 オルメカ文化やサポテカ文化などの影響を受け,独自の文字体系や天文暦数などを発達させたメソアメリカの文明の一つである。その先行文化は南部地域のイサパ文化であり,紀元前1世紀ころからマヤ文明盛期の基本的特徴をすでに備えたこの文化は原古典期とも呼ばれる。2世紀後半になるとテオティワカン文化がこの地域に進出し,マヤ文化の中心は中央部に移る。紀元300年―900年ごろがマヤ文明の最盛期で,ティカルコパンなどの都市が次々に建設され,古典マヤ文明が発展した。広場を囲む神殿群と太陽のピラミッド,独特の暦法に基づく年代を刻した石柱,象形文字の使用,優美な彩色土器等で代表される。この文明は900年ごろ急速に衰退し,神殿都市は次々に放棄されて中心は北方のユカタン半島に移った。侵入者であるトルテカ文化の影響を受け,チチェン・イッツァを中心としてユカタン・マヤ文化が形成された。ユカタン半島はその後たびたびメキシコ中央高原からの侵入を受け,1200年ころマヤパンが主導権を握るころから退廃期に入り,15世紀にはマヤの政治勢力は地方に分散し,16世紀スペイン人の侵入にいたるまで低迷期が続いていた。
→関連項目アステカインカウシュマルカスタ戦争グアテマラ(国)ケサルテナンゴサパティスタ国民解放戦線シアン・カアンチアパス[州]ティカル国立公園パレンケベリーズ(国)ポポル・ブフホンジュラスマヤ文字メキシコ(国)メキシコ料理ユカタン半島ラテン・アメリカ

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マヤ」の意味・わかりやすい解説

マヤ
まや
Maya

メキシコ南東部、ユカタン半島からベリーズ、グアテマラ北部のペテン地方、さらにホンジュラス、エルサルバドルにかけて居住する民族集団。言語はマヤ・トトナカ語群マヤンセ語族に属し、言語人口は約200万人。

 スペイン人が最初に到来した16世紀初頭のユカタン半島は、マヤ後古典期文明ののち、各地に小首長の分立状態が続いていた。スペインの征服はいちおう、フランシスコ・デ・モンテホ父子らによって1646年までに行われたが、その後も1761年、1847年などに原住民反乱が起こっている。とくに1847年の反乱はカースト戦争として有名で、一部の勢力はユカタン半島南東部のジャングルに孤立し、約半世紀間もメキシコ政府に抵抗した。その後、メキシコ革命(1910~17)が起こり、1930年代に断行された農地改革は、原住民の生産や宗教的活動基盤に大きな影響を与え、マヤ固有の文化の消滅も進んでいる。

 基本生業は焼畑耕作で、トウモロコシを中心に豆、カボチャ、トウガラシなどが栽培される。また、伝統的な養蜂(ようほう)業のほか、牧畜、果樹、北西部ではエネケン麻の製造が行われる。社会の基本単位は核家族で、かつての父系出自組織は解体している。カトリックに基づく聖人信仰が盛んだが、農耕儀礼には土着的な要素が残り、雨乞(あまご)い儀礼チャチャクはとくに重要である。マヤという自称のほかにメスティソとも自称し、その用法は、ラテンアメリカで一般的な白人とインディオとの混血者としてのメスティソとは異なる。

[石井 紀]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル大辞泉プラス 「マヤ」の解説

マヤ〔キャラクター〕

円谷プロダクションによる特撮ドラマシリーズ「ウルトラシリーズ」に登場する宇宙人。マゼラン星人。初登場作品は『ウルトラセブン』。身長1.6メートル、体重40キログラム。人間の女性の姿をし、テレパシーで会話をするマゼラン星の工作員

マヤ〔筆記具〕

イタリア、デルタ社の筆記具の商品名。「インディジナスピープル コレクション」シリーズ。2011年発売。メキシコのマヤ族をイメージ万年筆ボールペンがある。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

世界大百科事典(旧版)内のマヤの言及

【コパン】より

…ホンジュラスにあるマヤ遺跡。モタグア川流域にマヤ芸術様式のひとつコパン様式を生み出し,4世紀から9世紀に最も栄えた都市。…

【ティカル】より

…グアテマラのペテン地方にある低地マヤ最大の都市遺跡。棟飾のある神殿とそれを支える高いピラミッド,持送り式アーチでつくられた宮殿,建造物複合体群を結ぶ大通り,しっくい彫像による建築装飾,石碑の建立など,マヤ古典期の初めから中心的存在として栄えたが,900年ころ,他の低地マヤ諸都市と同様放棄される。…

【マヤ文化】より

…中央アメリカ,ユカタン半島からグアテマラ,エルサルバドルの太平洋岸までの地域に展開したメソアメリカの文化の一つ。オルメカ文化やサポテカ文化から継承し発展させた独特の文字体系,天文暦数,宗教体系,そしてマヤ自身の発明による持送り式アーチ工法による建築などがマヤMaya文化の特徴である。とくに古典期においてそれらの特徴は頂点を極めた。…

【ネコ(猫)】より

…山仕事をする者は一般に山中で猫ということばを用いることをきらい,津軽でマガリ,中国山地でも兵庫県でトリ,岡山県でチョウタ,広島県でジンタなどといいかえる。沖縄県先島地方では猫をマヤといい石垣島の神事ではマヤの神,トモマヤの神という二つの神が面を着けて現れ,海の彼方の世界からやってくるものと考えられていた。マヤは宮古島では一般に野猫をいい,道であうことを恐れ,目を見合わせることを避けた。…

※「マヤ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android