デジタル大辞泉 「時化る」の意味・読み・例文・類語 し・ける【▽時化る】 [動カ下一][文]し・く[カ下二]《「湿気しける」と同語源。「時化」は当て字》1 風雨が強く、海が荒れる。また、海が荒れて不漁になる。「海が―・ける」2 金回りが悪くなる。けちけちする。「当節はどこも―・けた話ばかりだ」3 気持ちが落ち込む。しょげる。ふさぎ込む。「―・けた顔」[類語]崩れる・ぐずつく・荒れる・時化・大荒れ・荒れ模様・荒天・悪天候・暴風雨・嵐 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「時化る」の意味・読み・例文・類語 し・ける【時化・湿気】 〘 自動詞 カ行下一段活用 〙 [ 文語形 ]し・く 〘 自動詞 カ行下二段活用 〙 ( 「時化」は当て字 )① 空が曇る。[初出の実例]「天陰(ひシケ)て雨氷(ひさめふ)る」(出典:日本書紀(720)神武即位前(北野本室町時代訓))「Xiqe, uru, eta(シクル)〈訳〉天気が曇る。例、テンキガ xiqeta(シケタ)」(出典:日葡辞書(1603‐04))② 風雨がひどくて、海が荒れる。[初出の実例]「海上に陰(シケ)ては漁利を害す」(出典:読本・繁野話(1766)一)③ 金まわりが悪く、不景気になる。ふところがとぼしくなる。また、人がけちである。[初出の実例]「でも思ひがけず電車賃を稼ぎましたよ。ちゃうどひどくシケてたところなんで…」(出典:普賢(1936)〈石川淳〉一)④ 生気や活気がなくなる。しょげる。ふさぎこむ。[初出の実例]「人の気色のしけたる、しく、如何」(出典:名語記(1275)六)「なんともしけた店だ」(出典:夢を植える(1975‐76)〈清岡卓行〉いやな犬)⑤ 失敗する。こける。[初出の実例]「どっとばかしに笑った。〈略〉観客はシケル(失敗)のを待ってゐたのだ」(出典:彼女とゴミ箱(1931)〈一瀬直行〉インチキ・レビュー、万歳、安来節、其の他)⑥ =しけこむ[初出の実例]「もう山川は見へさうなもの。ただし切にしけたかしらぬ」(出典:黄表紙・高漫斉行脚日記(1776)中)⑦ 湿気を帯びる。しめってくる。しめる。しっける。[初出の実例]「古い古い石造りの家から湿(シ)けた壁の匂の湧出る闇の中」(出典:ふらんす物語(1909)〈永井荷風〉祭の夜がたり) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例