角閃石の一種で、もっとも普通に産する鉱物。現在この名称は独立した鉱物種名としては使われず、何種類かの角閃石の総称。このうち、ほとんどのものが苦土ホルンブレンドで、鉄ホルンブレンドがこれに次ぐ。柱状あるいは短柱状結晶で、安山岩、玄武岩、閃緑岩、斑糲(はんれい)岩、花崗(かこう)閃緑岩など各種火成岩中に主要造岩鉱物として産する。またスカルンや緑簾(りょくれん)石角閃岩相からグラニュライト相の低温部に至る広域変成岩中に普通に産する。英名はドイツ語の「角Hornと欺くblenden」という語に由来する。これは、古いドイツ語で、黒っぽくて柱状の結晶が入っていて、いかにも鉱石のようにみえても、実際には回収できる金属を含んでいないので、欺かれるという意味で、かつて鉱山用語として使われていた。
[松原 聰]
普通角閃石
英名 common hornblende
化学式 (Ca,Na)2~3(Mg,Fe2+,Fe3+,Al)5
(Si,Al)8O22(OH)2
少量成分 Ti,K
結晶系 単斜
硬度 6
比重 2.9~3.4
色 緑黒,褐黒
光沢 ガラス
条痕 白
劈開 二方向に完全
(「劈開」の項目を参照)
苦土ホルンブレンド
magnesiohornblende
Ca2(Mg,Fe2+)4(Al,Fe3+)
Si7AlO22(OH,F)2
鉄ホルンブレンド
ferrohornblende
Ca2(Fe2+,Mg)4(Al,Fe3+)
Si7AlO22(OH,F)2
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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