暗渠排水(読み)アンキョハイスイ(英語表記)underdrainage

翻訳|underdrainage

デジタル大辞泉 「暗渠排水」の意味・読み・例文・類語

あんきょ‐はいすい【暗×渠排水】

暗渠を設けて、土中の余分な水を排水すること。また、その設備

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精選版 日本国語大辞典 「暗渠排水」の意味・読み・例文・類語

あんきょ‐はいすい【暗渠排水】

  1. 〘 名詞 〙 湿地の水はけをよくするため、地下にみぞを作り、土管などを埋め、排水すること。

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改訂新版 世界大百科事典 「暗渠排水」の意味・わかりやすい解説

暗渠排水 (あんきょはいすい)
underdrainage

耕地の過剰な水分を排水するとともに,地下水位を下げるために,圃場(ほじよう)内の地下に埋設した吸水管(暗きょ)を用いて地下排水を行うこと。水田や畑,樹園地などにおいて,作物の健全な生育はかり,また農作業の便のために適当な土壌水分状態を保つことを目的として世界的に広く行われている。近年,水田への畑作物の導入にあたってはとくに重要な排水手段となっている。暗きょ排水は,重力で降下する水を,地下約60~120cmの深さに埋設した吸水管(この管と埋設してある溝を含めて吸水きょと称する)に集めて行う。古くは竹,石礫(せきれき),そだ(粗朶),土管などが吸水きょに敷設されたが,現在では1.5~数mmの穴または細いスリットが多数ある塩化ビニル管,ポリエチレン管,コルゲート管,網状管,土管など各種の吸水管が用いられる。吸水管の周囲には土砂の管内への流入を防ぐために,そだ,石礫,もみがらなど透水性がよく耐久性のある材料(疎水材)をフィルターとして被覆する。吸水管への集水を容易にするため,最近はこのフィルターを十分厚く埋め戻すことが合理的であるとされている。また透水性が悪い土壌では,水の通り道を確保することを目的として,吸水きょ(本暗きょと称する)と直交し,吸水きょより浅い位置にモグラ暗きょやもみがらを充てんした簡易の暗きょ(補助暗きょと称する)などを敷設した組合せ暗きょが多く用いられるようになってきている。吸水きょに集められた水は,吸水きょのこう配にしたがって移動し,排水の調節を目的とする水閘すいこう)を経て,排水を集める集水きょに集まり,さらに排出口をへて排水路へ排除される。集水きょがなく直接排水路へ排水される場合も多い。

 なお,水路が鉄道,道路,堤防など他の構造物を横断したりする際に設けられる埋設水路も暗きょと呼ぶが,これらは暗きょ排水ではない。
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百科事典マイペディア 「暗渠排水」の意味・わかりやすい解説

暗渠排水【あんきょはいすい】

圃場(ほじょう),農地の地下に導水管(路)を埋設し,地下停留水を排除すること。深さ60〜120cmに吸水管(塩化ビニル管,ポリエチレン管に数mmの穴をあけたもの)を埋め,ここから吸水渠,水閘(すいこう),集水渠を経て排水路へ排水する。地下冷水を排除して地温を高め,施肥効果をあげ,作物の収量,品質を向上させるほか,特に水田への畑作物の導入にあたり大事な排水手段となっている。また山腹に設けて崩壊を防ぐほか,道路,飛行場などにも施工される。近年,土壌への塩類蓄積が世界的に問題となるのに伴って,土壌中の塩類を洗い流すための役割が重視されている。
→関連項目明渠排水

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「暗渠排水」の意味・わかりやすい解説

暗渠排水
あんきょはいすい
underdrainage; subdrainage

農地などの地下水位を適当な高さにする目的で,地下の停滞水の排水に使われる方法。その組織は,直接地下停滞水を吸水する吸水渠,吸水渠の水を集めて流す集水渠,排水口,さらに区域外から入ってくる地下水を遮断する捕水渠などから成る。また,暗渠は使われる材料の種類によって,次のように分けられる。 (1) 管暗渠 土管,陶管,コンクリート管,プラスチック管などを使用するもの。 (2) 簡易暗渠 石や礫,木,粗朶 (そだ) ,竹などを使用するもの。 (3) 無材暗渠排 もぐら暗渠といわれるもので,資材を使わず,穿孔機によって地中に通水孔をあけて水路とするもの。

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リフォーム用語集 「暗渠排水」の解説

暗渠排水

水田を必要なときに乾田化するための方策の一つ。基本的には、コンクリート製の深い排水路とここに水田の水をしみ出させる地中管の設置である。 地中管としては、プラスチック系コルゲート管や素焼きの土管を水田の土中に埋設する。 必要なときにその一端を排水路に解放して水田中の水を抜き、収穫や耕耘時に農業機械の使用を容易にする。

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