曼陀羅華(読み)マンダラケ

  • ×曼×陀羅華
  • まんだらげ
  • 曼陀羅華 (マンダラケ)
  • 曼陀羅華 (マンダラゲ)

世界大百科事典 第2版の解説

仏典にあらわれる天華(てんげ)(天界の花)の一つ。釈迦や如来たちの悟りや説法に際し,これを喜ぶ神々のに従っておのずから空中に生じ降りそそぐとされる。また,須弥山(しゆみせん)の頂上には高さ百由旬(1由旬≒14km)の巨大な曼陀羅の樹があり,その下では三十三天が遊んでいるという。忉利天,極楽世界,さまざまな仏国土を荘厳する花樹としても登場する。サンスクリットのマンダーラバmandāravaの音写で,モデルはマメ科のデイコとされる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

インドの仏教伝説に現れる天界の花。曼陀羅はサンスクリット語のマーンダーラバmāndāravaおよびパーリ語のマンダーラバmandāravaの音写。色が美しく芳香を放ち、見る者の心を喜ばせることから悦意華(えついか)ともよばれる。もとはサンゴ樹Erthrina Indicaをさし、インドラ天Indra(東方を守護する天王)の五種樹木の一つとされた。日本ではチョウセンアサガオの別名になっている。

[片山一良]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 (古くは「まんだらけ」)
① (māndārava の音訳。天妙華・適意華・悦意華・白華などと訳す) 仏語。天上に咲くという芳香を放つ白い花。その色は美妙で、見る人の心に悦楽を感じさせるという。仏の説法または諸仏出現の際に法悦の表示として天から降る。四華の一つ、白蓮華にあたる。
※浄業和讚(995‐1335)中「またかのほとけの国土には つねに天の楽をなす 昼夜六時に微妙の 曼陀羅華ふりくだる」 〔法華経‐序品〕
② (①に擬していう) 蓮(はす)の花。
③ 植物「ちょうせんあさがお(朝鮮朝顔)」の異名。〔和漢三才図会(1712)〕
④ 植物「むらさきけまん(紫華鬘)」の異名。

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世界大百科事典内の曼陀羅華の言及

【外科】より

…サルファ剤の発見,A.フレミングによるペニシリンの発見,それに続く種々の抗生物質の発見・合成は,今日の外科無菌手術に大きな進歩をもたらした。1805年(文化2)世界に先駆けて華岡青洲が曼陀羅華(まんだらげ)(チョウセンアサガオ)を主成分とした麻沸湯による全身麻酔で乳癌の手術に成功した。それから約40年後アメリカのW.T.G.モートンらがエーテル麻酔に成功,以来吸入麻酔用ガスの開発は近代麻酔学の基礎となった。…

【手術】より

…1649年(慶安2)出島に到来したオランダの医師カスパルはフランスの外科医パレの医学を伝えたが,彼の教えた医学はカスパル流外科として知られる。 1774年(安永3)に杉田玄白,前野良沢らによってクルムスJ.A.Kulmusの解剖書を翻訳した《解体新書》が刊行されたが,それから31年後の1805年(文化2),華岡青洲は曼陀羅華(まんだらげ)(チョウセンアサガオ)を主とした麻沸湯による全身麻酔下での乳癌手術に成功している。これはW.T.G.モートンらのエーテル麻酔に先立つこと約40年であった。…

【チョウセンアサガオ】より

…熱帯アジア原産のナス科の一年草(イラスト)。中国名は曼陀羅華(まんだらげ)。江戸時代に輸入され薬用のために栽培されたが,現在はほとんど見られない。…

※「曼陀羅華」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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