有楽町(読み)ゆうらくちょう

精選版 日本国語大辞典 「有楽町」の意味・読み・例文・類語

ゆうらく‐ちょうイウラクチャウ【有楽町】

  1. ( 江戸初期、織田有楽斎(おだうらくさい)屋敷があったところから名づけられた ) 東京都千代田区の町名、およびJR有楽町駅付近一帯の通称映画館・劇場・デパートなどがあり銀座に接する繁華街

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日本歴史地名大系 「有楽町」の解説

有楽町
ゆうらくちよう

千代田区の南東部、丸の内の南側一帯の呼称。明治維新後旧大名邸の多くが陸軍省用地(陸軍裁判所・兵営・調操練場)に変わり、その他は東京府庁・中山忠能(明治天皇の生母中山慶子の父)邸・日比谷ひびや大神宮の敷地などになった。幕末には数寄屋橋すきやばし御門内に南町奉行所が置かれていたが、維新後市政裁判所が置かれ、廃止後は町地になった。明治五年(一八七二)四月有楽町一―三丁目が起立。同三一年には有楽町二丁目の東京府庁内に東京市役所が設置された。同四三年に新橋しんばし(烏森駅)からの延長に有楽町駅が開業し、四年後に東京駅に連絡、市電の発展とともに交通網が整備されていった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「有楽町」の意味・わかりやすい解説

有楽町
ゆうらくちょう

東京都千代田区南東端、JR有楽町駅周辺の地区。江戸初期、千利休(せんのりきゅう)の高弟織田長益(おだながます)(号有楽(うらく)、織田信長の弟)の屋敷地があり、1872年(明治5)それにちなんで町名がつけられた。なお、屋敷内の数寄屋(すきや)造の茶室が、外堀に架けられた数寄屋橋の名のもととなった。劇場、映画館、デパートなどがあり、都心の繁華街の一つとなっている。銀座に接する駅の東側は、新幹線開通を機として再開発が進み、東京交通会館が建設された(1965)。さらに、古くなった日本劇場、朝日新聞社(築地(つきじ)へ移転)も壊され、デパート・映画館などが入る有楽町センタービル(マリオン)へ衣替えした(1984)。日比谷(ひびや)に接する駅の西側は、オフィス・ビル、劇場などが建ち並び、旧日比谷映画劇場・有楽座の跡地はファッションとグルメの商業ビル(日比谷シャンテ)に建て替えられた(1987)。また2000年代に行われた駅前の再開発により、複合商業施設(有楽町イトシア)が建設された(2007)。JRのほか東京地下鉄丸ノ内・有楽町・日比谷・千代田の各線、都営地下鉄三田(みた)線が通り交通の便がよい。

[沢田 清]


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改訂新版 世界大百科事典 「有楽町」の意味・わかりやすい解説

有楽町 (ゆうらくちょう)

東京都千代田区南部の地名。JR有楽町駅付近一帯にあたり,1,2丁目からなる。北は丸の内,東は銀座に接し,都心繁華街の一つである。地名は,慶長年間(1596-1615)ごろ,ここに織田有楽斎(うらくさい)の屋敷があったことに由来する。かつては銀座との間に,外堀に架けられた数寄屋橋があったが,堀は1958年に埋められて首都高速道路が通り,その下には商店街(西銀座デパート,数寄屋橋ショッピング・センター)が形成されている。昭和に入ってから,日劇や東宝劇場などの劇場や映画館,飲食店が集中して娯楽街となった。現在,日比谷通りをはさんで皇居に面する側は会社などのビルが林立するオフィス街をなす。また有楽町駅東側の朝日新聞社および日劇跡地には西武百貨店,阪急百貨店が進出し,再開発が進んでいる。JR線や地下鉄有楽町線,日比谷線が通じる。
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百科事典マイペディア 「有楽町」の意味・わかりやすい解説

有楽町【ゆうらくちょう】

東京都千代田区,JR有楽町駅周辺の町名。東は数寄屋橋を境に銀座,北は丸の内,西は日比谷通りに接する。都心繁華街の一つで,日生劇場,マリオン,日比谷シャンテ,東京宝塚劇場などの劇場,映画館が集中。交通会館もある。江戸時代,織田有楽(うらく)斎の屋敷があった。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「有楽町」の意味・わかりやすい解説

有楽町
ゆうらくちょう

東京都千代田区南東部の地区。 JR有楽町駅 (1910年開設) 一帯の通称。地名は江戸時代初期,織田信長の弟の織田有楽斎の屋敷があったことに由来する。丸の内,霞が関のビジネス・官庁街と銀座の中間にあり,朝日・読売新聞社や多くの映画館,劇場が集中していたが,各新聞社が移転,その跡に百貨店などが建設され,繁華街となっている。

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