有線電気通信設備(電話線など)を使い,音声や音響および映像を特定の地域,対象に対して送信することをいう。一般の放送が無線を使い不特定多数を対象にするのと対比される。日本では,第2次大戦後,農村などラジオ受信機が普及していない地域のラジオ共聴施設として誕生し,村や農協の告知放送も行った。これに電話を併設したものが有線放送電話である。都市では街頭や広場で音楽や広告を行う有線放送(街頭放送)も生まれた。1960年代に入ると都市の飲食店を中心に,音楽を提供する〈ミュージック・サプライ〉が有線放送の一分野として発達した。1951年には〈有線放送業務の運用の規正に関する法律〉も制定された。有線テレビは,難視聴地域に対する送信が初発形態であったが(アメリカでは1940年代末,日本では1953年),63年以降は自主番組放送なども行われ,ケーブルテレビの時代に入った。光ファイバー通信や有線都市構想が実現しようとするおりから,有線放送はテレビからデータ通信までを含めた新しい双方向通信体系の中に改めて位置づけられようとしている。
執筆者:岡村 黎明
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