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破壊活動防止法 はかいかつどうぼうしほう

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

破壊活動防止法
はかいかつどうぼうしほう

昭和 27年法律 240号。しばしば破防法と略称される。占領下において制定された団体等規正令が講和後廃止されるのに伴い制定されたもので,その目的は,(1) 「団体の活動として暴力主義的破壊活動を行なった団体に対する必要な規制措置を定める」とともに,(2) 「暴力主義的破壊活動に関する刑罰規定を補整」し,もって「公共の安全の確保に寄与する」ことにある。

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デジタル大辞泉の解説

はかいかつどう‐ぼうしほう〔ハクワイクワツドウバウシハフ〕【破壊活動防止法】

暴力主義的破壊活動を行う団体に対する規制措置を定めるほか、暴力主義的破壊活動に関する刑罰規定を補い、公共の安全を確保することを目的とする法律。昭和27年(1952)施行。破防法。

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百科事典マイペディアの解説

破壊活動防止法【はかいかつどうぼうしほう】

破防法と略称。暴力主義的破壊活動を行った団体に対する規制措置を定めるとともに,暴力主義的破壊活動に関する刑罰規定を補い,公共の安全の確保に寄与することを目的とする法律(1952年公布・施行)。
→関連項目陰謀教唆三無事件集会結社の自由政治警察騒乱罪内乱罪放火罪

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世界大百科事典 第2版の解説

はかいかつどうぼうしほう【破壊活動防止法】

〈破防法〉と略称される。占領中の治安法制に代わるものとして,1952年に公布された法律。団体活動として暴力主義的破壊活動を行った団体に対する規制措置と,暴力主義的破壊活動に関する刑罰規定を補整し,公共の安全の確保に寄与することを目的としている(1条)。第2次大戦後の日本の治安は,当初連合国最高司令官の発する指令により,その後はこれを発展させた〈団体等規正令〉(1949公布)や〈占領目的阻害行為処罰令〉(1950公布)などにより維持されてきた。

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大辞林 第三版の解説

はかいかつどうぼうしほう【破壊活動防止法】

暴力主義的破壊活動を行なった団体に対する必要な規制措置を定め、暴力主義的破壊活動に関して刑法の罰則規定を補う法律。1952年(昭和27)制定。破防法。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

破壊活動防止法
はかいかつどうぼうしほう

1952年(昭和27)サンフランシスコ講和条約の締結後に、占領管理法令の一つであった団体等規正令に代わるものとして、国内の治安維持を図る目的で1952年7月21日に制定された法律。昭和27年法律第240号。アメリカの1950年国内安全保障法マッカラン法)をモデルとした治安法で、「破防法」と略称される。[右崎正博]

制定の背景と目的

この法律は、第一に、団体の活動として「暴力主義的破壊活動」を行った団体に対して公開の集会等の禁止や機関誌紙等の印刷・頒布等の禁止を命じ(5条)、また、将来繰り返し暴力主義的破壊活動を行うおそれがあると認められる場合には団体自体の解散を命じる措置を定め(7条)、第二に、暴力主義的破壊活動の予備、陰謀、唱道、教唆、煽動(せんどう)の行為を行った者の処罰を規定している(38条以下)。
 本法にいう「暴力主義的破壊活動」とは、
(1)団体の活動として、内乱罪および外患誘致罪、その予備・陰謀・幇助(ほうじょ)等を行い、それらの行為を教唆・煽動すること、また、それらの行為の実行の正当性・必要性を主張する文書等を印刷・頒布・掲示したり、放送や通信を行うこと、
(2)団体の活動として、政治上の主義・施策を推進・支持・反対する目的で、騒擾(そうじょう)・放火・殺人等の犯罪を行い、それら犯罪行為の予備・陰謀・教唆・煽動を行うこと、
とされている。
 このように、破防法による規制は、団体活動の禁止や制限、団体そのものの解散、文書等の印刷・頒布・掲示や放送・通信の禁止など、憲法21条によって保障される集会・結社の自由や言論・表現の自由を制限するものであり、かつ、刑法による禁止・処罰の範囲を著しく拡大し、徹底して予防的な観点から規制措置を講じているのが特徴である。[右崎正博]

破防法発動の経過

以上みてきたように、破防法の予防的性格は、言論・表現の自由を脅かす恐れが強く、それだけに国民の間には強い反対の声があがった。しかし、治安維持を重視する政府は、法制定直後の1952年10月、共産党ビラ配布事件に対して、内乱を呼びかけ、その正当性を主張した文書を頒布したとして破防法を初適用、起訴に踏み切った。この共産党関係の破防法事件は4事件があるが、裁判所はいずれの事件でも、当該文書が明白かつ差し迫った危険をもつものとは認められないとして、被告人を無罪とした。その後、クーデター準備のため武器を調達し、射撃訓練などをしたとして起訴された1961年の三無事件、爆弾製造の準備をしたとして起訴された1970年の連合赤軍事件では、殺人あるいは公務執行妨害の予備・陰謀にあたるとして有罪とされている。
 また、1971年の沖縄返還協定の国会承認を控えた時期に発生した騒擾事件に関連して、政治集会で演説をした行為が政治上の主義を推進する目的で騒擾を煽動したとして起訴された事件でも、有罪判決が確定している。しかし、煽動罪は、人に対し犯罪を実行する決意を生ぜしめ、既存の決意を助長するような勢いのある刺激を与えることだけで成立するとされているため、害悪発生の明白な差し迫った危険の有無を問うことなしに言論を制約する面があり、民主主義を維持していくのに不可欠なものとして人権体系の上で優越的地位を認められ、強い保障を受ける言論・表現の自由を侵害しているという批判もある。[右崎正博]

オウム真理教事件と団体規制法の制定

以上が破防法が適用されてきた事例であるが、ここで注目しておくべきことは、これらがいずれも破防法38条以下の、いわゆる暴力的破壊活動の予備、陰謀、唱道、教唆、煽動の行為を行った者を処罰する規定に基づくという点である。逆にいえば、破防法のもっとも重要なポイントとされる団体規制、すなわち団体活動の禁止や団体そのものの解散などの規定が発動されることはなかったのである。その背景には、前述のように破防法が憲法よって保障されている集会・結社の自由や言論・表現の自由を制限するものであり、かつ、刑法による禁止・処罰の範囲を逸脱していること、また、その団体規制が、公安調査庁長官の請求により、公安審査委員会が決定する(11条、22条)という手続で発動されることから、裁判所による司法手続を経ないで行政処分によって集会・結社、言論・出版の自由を奪うものとして違憲の疑いが指摘されていたことなどがある。しかし、1995年(平成7)になって状況は一変する。坂本弁護士一家殺害事件や1995年3月の猛毒サリンによる無差別殺人事件(地下鉄サリン事件)を引き起こした「オウム真理教」(2000年アレフ、2003年アーレフ、2008年Aleph(アレフ)に改称)に対する国民の強い不安感、怒りを背景に、地下鉄サリン事件から9か月後の12月に団体の解散が請求された。破防法によって団体そのものの解教を請求する初めてのケースとなったが、公安審査委員会は、同教団が継続反復して将来さらに破壊活動を行う危険までは認められないとして、1997年2月に請求を棄却する決定を下している。
 破防法によってさえも団体解散に追い込むことができなかったため、政府は、1999年12月3日になって、依然として団体として活動を継続しているオウム真理教への対策を念頭において、「無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律」(団体規制法)を制定した。この法律は、無差別大量殺人を行った団体につき、当該無差別大量殺人行為の首謀者が当該団体の活動に影響力を有しているなどふたたび無差別大量殺人行為に及ぶ危険性があると認めるに足りる事実があり、その活動状況を継続して明らかにする必要があると認められる場合には、公安審査委員会が、3年を超えない期間を定めて当該団体を公安調査庁長官の観察に付する処分(観察処分)を行い(第5条)、また、殺人、暴行、略取、誘拐、監禁などの犯罪を行おうとしている場合には、6月を超えない期間を定めて土地・建物等の取得・借り受け・使用等を禁止する処分(再発防止処分)を行うことができるとしている(第8条)。団体規制法は同年12月27日に施行され、2000年1月には、公安審査委員会が同法に基づく公安調査庁長官の請求を認め、オウム真理教に対する3年間の観察処分を決定した。これを受けて、公安調査庁は翌2月同教団(アレフ)施設に初の立入検査に入った。2003年と2006年、2009年に観察処分の期間更新(3年間)が行われた。
 しかし、一方でこの団体規制法は、破防法の規制が及ばない事項について規制を拡大し、居住・移転等の自由にまで予防的措置を拡大しているため、人権への制限が広汎にすぎるとの批判がなされている。[右崎正博]
『柴垣和夫著『昭和の歴史9 講和から高度成長へ』(1983・小学館) ▽奥平康弘編『破防法でなにが悪い!?』(1996・日本評論社) ▽奥平康弘著『これが破防法』(1996・花伝社)』

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世界大百科事典内の破壊活動防止法の言及

【内乱罪】より

…予備・陰謀(78条)や幇助(ほうじよ)(79条)も処罰されるが,暴動に至る前に自首すれば刑は免除される(80条)。なお,破壊活動防止法においては教唆や扇動も処罰されている(38条,41条)。内乱罪に関する事件の対審はつねに公開されなければならない(憲法82条2項但書)。…

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