有肺類(読み)ゆうはいるい(英語表記)Pulmonata

精選版 日本国語大辞典 「有肺類」の意味・読み・例文・類語

ゆうはい‐るい イウハイ‥【有肺類】

〘名〙 軟体動物門、腹足綱の一亜綱。基眼目(モノアラガイなど)・柄眼目カタツムリなど)と収柄眼目(イソアワモチなど)の三目を含む。主として陸産で、少数種が淡水または海にすむ。本鰓は退化し、外套膜の変化した肺で呼吸する。雌雄同体。冬眠するものがある。世界で約二万種知られる。〔生物学語彙(1884)〕

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デジタル大辞泉 「有肺類」の意味・読み・例文・類語

ゆうはい‐るい〔イウハイ‐〕【有肺類】

腹足綱有肺亜綱の軟体動物総称カタツムリナメクジモノアラガイなど、陸生巻き貝が主。えらをもたず、外套膜がいとうまくの変化した肺で呼吸をする。雌雄同体。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「有肺類」の意味・わかりやすい解説

有肺類
ゆうはいるい
Pulmonata

軟体動物門腹足綱有肺類に属する動物の総称。普通の巻貝類のように通常巻いた殻を背上にもっているが,軟体の外套腔内に鰓がなく,外套腔壁に血管が密に分布し,これが肺の作用をして空気呼吸を行なっているのでその名がある。頭に触角と眼があり,足裏は平らである。雌雄同体カタツムリナメクジなどに代表されるように多くは陸上生活をしているが,モノアラガイヒラマキミズマイマイなど淡水にすむものも一部ある。また海辺にもカラマツガイ,シイノミガイ類がすんでいる。世界に約2万種,そのうち日本に約 700種が知られている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「有肺類」の意味・わかりやすい解説

有肺類
ゆうはいるい

軟体動物門腹足綱の1亜綱。この有肺亜綱Pulmonataの仲間は、外套腔(がいとうこう)内にえらがなく、外套膜壁に血管が密に分布して肺の作用をしている類で、カタツムリ(マイマイ)などの陸産の巻き貝類に代表される。

[奥谷喬司]

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世界大百科事典(旧版)内の有肺類の言及

【腹足類】より

…すべて海産。(3)有肺類(ゆうはいるい)Pulmonata 通常巻いた殻が背上にあるが,ナメクジでは欠く。頭には触角と眼と口があり,外套腔内に前向きに肛門が開く。…

※「有肺類」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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