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有鉤条虫 ゆうこうじょうちゅうTaenia solium

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

有鉤条虫
ゆうこうじょうちゅう
Taenia solium

扁形動物門条虫綱円葉目条虫科。カギサナダともいう。体長2~3m,片節数 800~900。頭節は球形で,4個の半球形吸盤と環状に並んだ 26~28個のをもつ。成虫小腸寄生して有鉤条虫症を起す。症状は腹痛,下痢,飢餓吐き気,嘔吐などである。幼虫が皮下,筋肉,眼球,脳,心臓,肝臓,肺などに寄生した場合は嚢虫症と呼び,失明けいれん皮下結節などの重大な障害が起ることがある。中間宿主ブタで,予防は豚肉を生食しないことである。駆虫剤はメンマエキス,カマラなどが用いられる。

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デジタル大辞泉の解説

ゆうこう‐じょうちゅう〔イウコウデウチユウ〕【有×鉤条虫】

条虫の一種。体長約3メートル。体はひも状で片節の数は約900個あり、頭部前端大小の鉤(かぎ)状の突起が環状に並ぶ。人間を終結宿主とし、腸内に寄生。中間宿主である豚肉を生食すると感染する。かぎさなだ。

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栄養・生化学辞典の解説

有鉤条虫

 [Taenia solium].円葉類に属する条虫でヒトの寄生虫.中間宿主はブタ.感染しているブタの肉を十分加熱しないで食べると,ときに重篤な感染症を示すので,ブタの取扱いで注意が必要とされるが,わが国のブタではみられないとされている.

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

有鉤条虫
ゆうこうじょうちゅう
pork tapeworm
[学]Taenia solium

扁形(へんけい)動物門条虫綱円葉目テニア科に属する寄生虫。体長2~3メートル、体幅5~6ミリメートル、片節数800~900個。頭節には4個の吸盤と22~32個の小さな鉤(かぎ)が環状に並んでおり、俗にカギサナダともよばれる。老熟片節の構造は無鉤条虫に似るが、子宮の分枝が少なく7~10対という点で異なる。
 成虫はヒトを固有宿主とし、その小腸に寄生する。腸内で片節が切れ糞便(ふんべん)とともに排出されると、片節が壊れて卵が遊離する。この卵が中間宿主のブタに食べられると、その小腸で孵化(ふか)し、幼虫は腸壁に侵入し血流あるいはリンパ流にのって全身の筋肉や臓器に到達し嚢虫(のうちゅう)を形成する。これを有鉤嚢虫といい、乳白色大豆大で、袋の中には吸盤と小鉤を備えた頭節ができる。ヒトが有鉤嚢虫の寄生したブタ肉をよく加熱せずに食べると、小腸内で頭節が遊出し、吸盤と鉤で腸粘膜に固着して成長し、約3か月で成虫になる。一方、ヒトが卵を飲み込むと、小腸内で孵化した幼虫はブタの場合と同様に全身に運ばれ嚢虫を形成する。また、ヒトの腸内に成虫が寄生していると、片節が壊れて遊離した卵が小腸内で孵化し、幼虫が上記のように全身に運ばれることがある。
 このように有鉤条虫ではヒトが固有宿主にもなり、また中間宿主にもなる。腸内に成虫が寄生してもほとんど無症状のことが多い。恐ろしいのは嚢虫寄生の場合で、皮下や筋肉に寄生するとアズキないしダイズ大の袋をつくり、脳、脊髄(せきずい)などに寄生するとてんかん様発作、けいれん、麻痺(まひ)などの重い症状をおこす。有鉤嚢虫症には的確な治療法がない。この条虫は中国、朝鮮半島、ロシア、東ヨーロッパ、インド、タイ、南アフリカ、中央・南アメリカに分布する。流行地ではブタ肉の生食を避けること、また人糞をブタに与えないことを心がける。[町田昌昭]

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動植物名よみかた辞典 普及版の解説

有鉤条虫 (ユウコウジョウチュウ)

学名:Taenia solium
動物。テニア科の寄生虫

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