木屋川(読み)こやがわ

日本歴史地名大系 「木屋川」の解説

木屋川
こやがわ

長門市の俵山たわらやま地域にある大笹おおささ山・一位いちいヶ岳などに水源をもち、豊浦郡豊田とよた町・菊川きくがわ町を流れ、下関市の東部、吉田よしだ小月おづきを南流して瀬戸内海に注ぐ。全長四三・五キロ、流域面積二九二・七四平方キロで田部たべ川・貞恒さだつね川・日野ひの川などの支流がある。

「地下上申」添付絵図に吉田よしだ川とみえ、「注進案」には

<資料は省略されています>

とあり、白根しらね川とも称されたという。

木屋川はもともと船を通すことができないほど川底が浅く、改修して年貢の積出しを容易にしようと、豊浦郡殿敷とのしき(現豊田町)の庄屋中野信蔵(半左衛門)が天保二年(一八三一)に大庄屋勝屋治郎左衛門に通船のための許可を願い出たが、流域が萩・長府・清末の三藩領に分れているため実現できなかった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「木屋川」の意味・わかりやすい解説

木屋川
こやがわ

山口県西部を流れる川。長門(ながと)市俵山(たわらやま)の大笹峠付近に発し、下関市豊田(とよた)町の西市(にしいち)盆地や下関市菊川町の田部(たべ)盆地を貫流して、下関市小月(おづき)で周防灘(すおうなだ)に入る。延長43.8キロメートル、流域面積289.6平方キロメートル。吉田川ともいう。上流県営木屋川ダムがあり、その豊田湖の水は下関市の上水工業用水として利用される。ダムの上流には俵山温泉がある。木屋川流域はゲンジボタルの発生地として国の天然記念物に指定されている。

三浦 肇]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「木屋川」の意味・わかりやすい解説

木屋川
こやがわ

別称吉田川。山口県西部,石見高原北西部の俵山付近に源を発し,南流して下関市小月で周防灘に注ぐ川。全長 43.7km。中,下流域に西市,田部の盆地が発達し,河口には小月平野が広がり水田地帯となる。流域に天然記念物ゲンジボタルの発生地がある。上流の豊田湖 (木屋川ダム) は豊田県立自然公園に属し,支谷の石柱渓名勝および天然記念物に指定されている。

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