未来遺産運動(読み)みらいいさんうんどう

事典 日本の地域遺産 「未来遺産運動」の解説

未来遺産運動

未来遺産運動」は日本ユネスコ協会連盟が2009(平成21)年から開始したもので、地域文化自然遺産を未来へ伝えようとするプロジェクトを「プロジェクト未来遺産」として登録、それを推進する地域を支援する制度。“100年後の子どもたちに長い歴史と伝統もとで豊かに培われてきた地域の文化・自然遺産を伝える”ことを目的とする。〔応募条件〕公募とし、1.原則として2年以上の活動実績がある、2.非営利団体であること、3.地域の人々が主体となって運営していること。2011(平成23)年現在30件が選ばれている。
[選定機関] 日本ユネスコ協会連盟
[選定時期] 2009(平成21)年~
[登録・認定名] 久保川イーハトーブ世界自然再生事業 | 神楽坂をますます粋に~「粋益(いきまし)」プロジェクト | いきもの不思議の国・中池見(なかいけみ)湿地 | 葵プロジェクト | ならまちわらべうたフェスタ | 孟子不動谷(もうこふどうだに)生物多様性活性化プロジェクト | 日本の記憶が息づく島OKIを守り伝えるプロジェクト | このままの鞆(とも)がいい!住民の手による歴史的港湾都市「鞆の浦(とものうら)」の歴史・文化・自然の継承と再生 | 八女(やめ)福島 空き町家と伝統工法の再生による町並み文化の継承 | 現代版組踊「肝高(きむたか)の阿麻和利(あまわり)」と「キムタカのマチづくり」 | 野生サケのふるさとウヨロ川保全調査・普及プロジェクト | 未来人(みらいびと)への贈り物 宗谷防人物語(そうやさきもりものがたり) | 知床のヒグマなど、人間と野生動物とが共生していく大切さを全国に届けよう。 | 水と林と田んぼのハーモニー 里山がくれた生き物と歴史の玉手箱 宍塚の自然と文化を次世代に | 「谷中のたから」体験・発見・交流プロジェクト江戸~東京のまちと自然、建物、生活文化の保全活用・体験事業~ | 木曽丸ごと夢作り活動 | 生態系豊かな森の再生と豊かな森が持つ可能性の追求 | 赤瓦と煙出しの里 加賀ひがしたにの未来プロジェクト | みんなでかぶこう!!プロジェクト~農村歌舞伎伎園座 | 阿蘇千年の草原を未来へ引き継ごう | 稲生川(いなおいがわ)開削と三本木原開拓の志を活かし、共創郷土の伝統を未来に | 渡良瀬川源流の森再生プロジェクト―足尾銅山の荒廃地に植樹― | 現代の癒し「布橋灌頂会(ぬのばしかんじょうえ)」を永遠に語り継ぐために! | 伝統行事を支えていく未来の担手育成事業 | ニッポンバラタナゴを守る伝統的な溜池浄化法“ドビ流し”の継承 | 天神崎(てんじんざき)の自然の維持と環境教育の推進 | 未来につなごう!尾道・坂の町再生プロジェクト | 未来に遺す「生きた鉄道博物館~100年レイル肥薩線への情熱~ | 千年の時を刻む荘園村落遺跡「田染荘(たしぶのしょう)小崎」 | 生きもの元気、子どもも元気、漁師さんも元気な中津干潟保全活動

出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域遺産」事典 日本の地域遺産について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「未来遺産運動」の意味・わかりやすい解説

未来遺産運動
みらいいさんうんどう

日本の長い歴史と伝統のもとで豊かに培われてきた地域の文化や自然遺産を、100年後の子供たちに伝えるための運動。日本ユネスコ協会連盟の活動の一つである。

 2009年(平成21)に、第1回の「プロジェクト未来遺産」の募集を行い、全国から寄せられた50候補のなかから、「日本の里100選」に選ばれた岩手県一関(いちのせき)市の久保(くぼ)川流域の生物多様性里地里山(さとちさとやま)を後世に引き継ぐ「久保川イーハトーブ世界自然再生事業」など、10件のプロジェクトが登録された。その後、毎年新たなプロジェクトが登録され、2014年の第6回までに52件が登録されている。そのなかには里山保全や地域に根ざした伝統芸能の継承など、「世界遺産」や「無形文化遺産」につながるジャンルも多く、世界遺産の国内版という側面もある。

[佐滝剛弘]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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