末梢神経障害を有する患者さんは、足の指先の違和感、足底に紙が貼りついた感じ、足の正座したあとのようなしびれ、足のつりやこむら返りなどを訴えます。通常、足先から左右対称性に現れ、しばしば夜間に増強し、ストッキング状に拡大するのが特徴です。手にも同様の症状が現れる場合もありますが、出現したとしても手の症状は通常は足に比べて軽度です。
さらに末梢神経障害が進行すると、神経の死滅が進んで、違和感やしびれ、痛みなどが弱くなったり、消失することがあります。つまり、足の痛みやしびれが弱まった時は、本当に神経が改善した場合と進行した場合があるので、見分けなければなりません。
進行して感覚が低下した場合は、足に靴ずれや
末梢神経障害は、前述のような患者さん本人の自覚症状と、アキレス腱反射が保たれているかどうか、モノフィラメントによる圧感覚のチェック、
治療は、軽症例であれば血糖コントロールのみでしばしば改善します。中等症以上では血糖コントロールに加えて、糖尿病性神経障害治療薬、ビタミンB12、抗けいれん薬、抗うつ薬、抗不整脈薬、漢方薬などを用いることがあります。進行している例では、治療を行っても改善に時間がかかります。
末梢神経障害の治療は、自覚症状による苦痛を和らげることが第一目標ですが、末梢神経障害による
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…狭義には神経の炎症であるが,実際上神経障害の原因は必ずしも明らかでないため,原因にかかわらず末梢神経障害neuropathyと同義に用いられることが多い。神経炎は,(1)単神経炎(単一の末梢神経の障害),(2)多発性単神経炎(2本以上の神経の障害),(3)多発神経炎(左右対称性で四肢末梢優位の症状を呈する,多数の神経のびまん性の障害)に分類される。…
※「末梢神経障害」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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