末流(読み)まつりゅう

精選版 日本国語大辞典 「末流」の意味・読み・例文・類語

まつ‐りゅう ‥リウ【末流】

〘名〙
① 川の流れのすえ。川の下流。ばつりゅう。
史記抄(1477)一一「末流は〈略〉あまり大水が出るぞ」
② すえの世。終わりの世。末世(まっせ)。ばつりゅう。〔史記‐游侠伝序〕
③ 血すじのすえ。子孫。末葉。末孫。ばつりゅう。
※台記‐康治二年(1143)一二月二日「入道殿末流、雖神事、可御堂歟」
流派のすえ。末派。ばつりゅう。
※正法眼蔵(1231‐53)心不可得「しかあれども文字の法師の末流なり」 〔後漢書‐班彪伝〕
芸能技芸などのつまらない流派、分派。また、それに属する人。つまらない者・いやしい者の意にさげすんでも用いる。ばつりゅう。
落書露顕(1413頃)「今為世為兼卿、両跡みな絶給て、有名無実にながれて侍し末流」 〔漢書‐游侠伝序〕

ばつ‐りゅう ‥リウ【末流】

〘名〙
① 川の流れの末。下流。まつりゅう。
※自然と人生(1900)〈徳富蘆花〉自然に対する五分時「此処利根本流が、北利根北浦の末流(バツリウ)と落合ふて来るので」
② 子孫の末。末裔(まつえい)。〔日葡辞書(1603‐04)〕
阿部一族(1913)〈森鴎外〉「橋谷は〈略〉尼子の末流(バツリウ)である」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「末流」の意味・読み・例文・類語

ばつ‐りゅう〔‐リウ〕【末流】

まつりゅう(末流)」に同じ。
「橋谷は…尼子の―である」〈鴎外阿部一族

まつ‐りゅう〔‐リウ〕【末流】

川の下流。
末の世。
血筋の末。子孫。ばつりゅう。「源氏末流
芸能・技芸などの流派の末。また、末端の小さな分派。末派。ばつりゅう。「堂上歌学の末流をくむ」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「末流」の読み・字形・画数・意味

【末流】まつりゆう(りう)

下流。また、追随者。〔文心雕竜才略〕杜篤・賈逵(かき)も亦たに聲り。其の才爲(た)るを跡(たづ)ぬるに、崔()(さいいん)・傅(毅)(ふき)の末なり。

字通「末」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

靡き

1 なびくこと。なびくぐあい。2 指物さしものの一。さおの先端を細く作って風にしなうようにしたもの。...

靡きの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android