東霧島神社(読み)つまきりしまじんじや

日本歴史地名大系 「東霧島神社」の解説

東霧島神社
つまきりしまじんじや

[現在地名]高崎町東霧島

JR吉都線東高崎ひがしたかさき駅の北西方に鎮座する。祭神は伊弉諾尊。旧県社。かつては東霧島大権現といわれ、妻霧島とも記される。社名について、当社は霧島山東端に建つことから「東」の字を「つま」と唱え、一説に「つま」は「あづま」の略といわれる(三国名勝図会)。その地理的位置から社名がついたといわれ、霧島六所権現の一つで、霧島山四方門のうち東方の発心ほつしん門にあたる。「三国名勝図会」は伊弉諾尊に瓊瓊杵尊・彦火火出見尊・葺不合尊・木花開耶姫・豊玉姫・玉依姫の六神を合祀し、神体は伊弉冉尊を焼いた軻遇突智神を伊弉諾尊が斬った際の十握剣とする。当初は霧島山上に霧島神社があったが、霧島山の噴火で被災し、一〇世紀頃に性空が再建したという。この場合の霧島神社は当社をさすか未詳だが、同書は「三代実録」天安二年(八五八)一〇月二二日条にみえる霧島神、「延喜式」神名帳にみえる霧島神社を当社とし、性空は当社を再建するとともに、別当寺を創立したとする。文暦元年(一二三四)一二月二八日の霧島山の噴火では山中の社院が灰燼に帰したと伝える(「三俣院記」など)。別当寺は「三国名勝図会」に東霧島山金剛仏作寺勅詔院とある。「三俣院記」は勅定院、「日向地誌」は勅諚院と記し、「三国名勝図会」は錫杖院を元禄年中(一六八八―一七〇四)に勅詔院と改称したとする。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「東霧島神社」の解説

東霧島神社

宮崎県都城市、霧島山系の支脈長尾山の麓にある神社。「つまきりしまじんじゃ」と読む。旧県社。祭神は伊弉諾尊(いざなぎのみこと)。延喜式神名帳に見える「霧島神社」を当社とする説がある。

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