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…この形式は高機(たかはた)と呼ばれ,今日でも手機に多く用いられている。 機織には,このほか経糸の間に緯糸をたやすく通す方法や,緯糸を平行に固く経糸の間に打ち込む方法として,杼(ひ)や筬(おさ)と呼ばれる道具が用いられている。これも最初はきわめて簡単なもので,たとえば杼でも1本の棒に緯糸を巻いて用いていた。…
…綜絖は針金のほか板金のものもあり,手織機では糸を撚(よ)って作られている(図3)。綜絖の上下運動により経糸が所定の開口状態になると,木管に巻かれた緯糸が入っている舟形の杼(ひ)(シャットルshuttle)Iを左右に飛ばして緯入れを行う。このとき前後に揺動するスレーLに固定されている筬は後方に移動しており,シャットルはこの筬とレースM(開口した下側の経糸に接するようにスレーに固定されている)に沿って飛走し,緯糸はシャットルから引き出されて上下2群の経糸の間(杼口(ひぐち))に挿入される。…
… これに対して織物の技術は,2条の繊維を経(たて)と緯(よこ)に交互に規則正しく編むところから発達してきた。編み台を用いる木や骨の編み針の使用は,機織りの杼(ひ)や筬(おさ)の前段階をなすものであった。歴史的に,初期の定着民のどの家族にも織機が存在したことが知られている。…
※「杼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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