松岡古墳群(読み)まつおかこふんぐん

日本歴史地名大系 「松岡古墳群」の解説

松岡古墳群
まつおかこふんぐん

広義には松岡町から福井市にかけての丘陵上、東西約五・五キロにわたって分布する、原目はらめ山・重立しげたて山・松岡の三支群からなる古墳群をいうが、ここでは松岡支群について述べる。(福井市の→原目山古墳群重立村

方形台状墓・方墳・円墳前方後円墳など約四〇基からなり、大型古墳はおもに稜線上に位置する。このうち手繰てぐり城山じようやま古墳(国指定史跡)前期末ないし中期初頭に比定される二段築成の前方後円墳で、方形区画・陪冢・葺石・埴輪をもつ。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

国指定史跡ガイド 「松岡古墳群」の解説

まつおかこふんぐん【松岡古墳群】


福井県吉田郡永平寺町松岡志比堺ほかにある古墳群。指定名称は「松岡古墳群 手繰ヶ城山古墳(たぐりがじょうやまこふん) 石舟山古墳(いしふねやまこふん) 鳥越山古墳(とりごえやまこふん) 二本松山古墳(にほんまつやまこふん)」。九頭竜(くずりゅう)川がまさに福井平野に流出する地の南方の山々に立地する。永平寺町から福井市の原目山にかけては約150基の古墳群があり、そのなかの旧松岡町を中心にする松岡古墳群は、方墳・円墳・前方後円墳が混在し、50基前後の古墳からなっている。1977年(昭和52)に国の史跡に指定された全長129mの手繰ヶ城山古墳をはじめ、50m以上の前方後円墳が6基点在しており、全長79.5mの石舟山古墳、全長53.7mの鳥越山古墳、全長90mの二本松古墳などがある。これらの大型古墳の被葬者は必ず越前固有の笏谷石(しゃくだにいし)で造られた舟形石棺に安置されている。そのため、これらの大型古墳は越の国を支配した大首長の墓と推定されている。北陸の他の地域よりいち早くひらけ、3世紀から5世紀にかけて越王国の都があったと想像されることから、2005年(平成17)には範囲を広げて追加指定され、名称変更が行われた。手繰ヶ城山古墳へは、えちぜん鉄道勝山永平寺線志比堺(しいざかい)駅から徒歩約20分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の松岡古墳群の言及

【福井[市]】より

…福井平野の中央に位置する福井県の県庁所在地。1889年市制。人口25万5604(1995)。古くは北ノ庄と称した。現市街の形成は1575年(天正3)柴田勝家が足羽(あすわ)川北岸の自然堤防上に北ノ庄城(本丸跡は現在の柴田神社といわれる)を築城したことに始まるが,1600年(慶長5)に入り結城秀康が城を改築して現在の県庁のところに本丸を移し,城下町を拡大した。大名ロータリー周辺の現在の中心街はもと城郭内で,濠を幾重にもめぐらした堅固な構えであった。…

※「松岡古墳群」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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