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板倉氏新式目 いたくらししんしきもく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

板倉氏新式目
いたくらししんしきもく

江戸時代初期に制定された法令集。京都所司代板倉勝重の作と伝えられるが,成立年代は,内容より推して,寛永から慶安の間 (1624~51) とされている。条文数は,60条前後,その内容は広く刑事,民事,行政の各分野にわたっている。各条規には,中世法の影響がいまだ濃厚であるが,江戸初期の立法に基づくものも見出される。中世法より近世法へ移行する過渡的法制として史家の注目を集めている。なお別に伝えられている「京都所司代板倉父子公事扱掟条々」「勝重式目」などは,いずれもこの新式目を基礎として,これに若干の増補改削を加えたものである。

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世界大百科事典 第2版の解説

いたくらししんしきもく【板倉氏新式目】

江戸時代初頭,京都所司代板倉勝重が制定したと伝えられる京都支配の掟書。《板倉父子公事裁許定書》《板賀州掟覚書》ともいう。この新式目は,《板倉政要》所収の〈父子公事扱諸式〉が後に潤色されたものと思われる。条数は,伝本によって出入りがあるが,60ヵ条前後。民事(跡式作法,売買作法など)から刑事(検断,籠舎,徒党,博奕など)まで広範な内容を持つ。【藤井 譲治】

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

板倉氏新式目
いたくらししんしきもく

京都所司代板倉勝重(かつしげ)が慶長(けいちょう)年間(1596~1615)に制定したといわれる、民政全般に関する法典。条数は写本によって若干異なるが、約60条。掟書(おきてがき)などともいわれるが、施政の基準を示した私的な備忘録としての性格が強く、各条の配列やまとめ方も整理されていない。内容は多岐にわたるが、公事(くじ)訴訟や裁許について直接言及した箇条がもっとも多く、喧嘩(けんか)口論狼藉(ろうぜき)、相続、畑屋敷山林などの境界、質(しち)などについての規定がそれに次ぎ、そのほか主従・奉公人関係、商売、耕作、道橋、検地、牢舎(ろうしゃ)、旅宿、火災、目安(めやす)、密通など庶民生活に密接する条目がある。各条の分析によると、中世法から近世法への過渡的性格が特徴といわれる。[鎌田道隆]

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