改訂新版 世界大百科事典 「板倉氏新式目」の意味・わかりやすい解説
板倉氏新式目 (いたくらししんしきもく)
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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京都所司代板倉勝重(かつしげ)が慶長(けいちょう)年間(1596~1615)に制定したといわれる、民政全般に関する法典。条数は写本によって若干異なるが、約60条。掟書(おきてがき)などともいわれるが、施政の基準を示した私的な備忘録としての性格が強く、各条の配列やまとめ方も整理されていない。内容は多岐にわたるが、公事(くじ)訴訟や裁許について直接言及した箇条がもっとも多く、喧嘩(けんか)口論狼藉(ろうぜき)、相続、畑屋敷山林などの境界、質(しち)などについての規定がそれに次ぎ、そのほか主従・奉公人関係、商売、耕作、道橋、検地、牢舎(ろうしゃ)、旅宿、火災、目安(めやす)、密通など庶民生活に密接する条目がある。各条の分析によると、中世法から近世法への過渡的性格が特徴といわれる。
[鎌田道隆]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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