板目(読み)イタメ

デジタル大辞泉 「板目」の意味・読み・例文・類語

いた‐め【板目】

板の木目が、平行に通らず、山形や不規則な波形をしているもの。⇔柾目まさめ
板と板との合わせ目。
板目紙」の略。
板目肌」の略。

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精選版 日本国語大辞典 「板目」の意味・読み・例文・類語

いた‐め【板目】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 板と板との合わせ目。板と板との葺(ふ)き合わせ目。
    1. [初出の実例]「そき板もち葺ける板目(いため)の合はざらば如何にせむとかわが寝そめけむ」(出典万葉集(8C後)一一・二六五〇)
  3. 板の木目(もくめ)が平行に通らないで、山形や不規則な波形にまがっているもの。⇔柾目(まさめ)
    1. [初出の実例]「古御笏の上吉と有仰は皆板目也」(出典:富家語(1151‐61))
  4. いためがみ(板目紙)
  5. いためはだ(板目肌)

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百科事典マイペディア 「板目」の意味・わかりやすい解説

板目【いため】

木材樹心を通らない面でたて方向に切断したとき(接線断面),木材の表面に現れる波形などの木理。見ばえは柾目(まさめ)に劣るとされる。板目の板の外周側を木表(きおもて),中心側を木裏(きうら)という。
→関連項目単板木目

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家とインテリアの用語がわかる辞典 「板目」の解説

いため【板目】

➀板と板の合わせ目。
➁板の木目が平行でなく、波形や山形など不規則な部分があること。木材を年輪の接線方向に、年輪を横切るように木取りする。幅の広い材料が得られるが、収縮によって反りが出やすい。⇒柾目(まさめ)

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リフォーム用語集 「板目」の解説

板目

木目が山形や不規則な波形などの曲がった線として出ている板材のこと。丸太を板材として製材する木取りにおいて、丸太の年輪を切断するように木取りすることでつくられる。年輪の模様が山形や渦巻き模様にあらわれるのが特徴で、直線になる柾目とはその点が異なる。板目の板材はたくさん取れるので柾目と比べ安価だが、収縮により反りがでてしまう欠点があるといわれる。板と板との合わせ目を板目ということもある。

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世界大百科事典(旧版)内の板目の言及

【桶】より

…一方結桶は鉈で割って作った短冊形の側板を円筒形に並べて竹などの箍(たが)でしめ,底を入れたものである。なおこの場合側板の木取り法には板目取りと柾目取りとがあり,板目取りは丈夫で水も浸透しないため漬物桶や水桶などに用い,柾目取りは目が揃ってきれいなので飯櫃やすし桶,手桶などに用いる。歴史的には曲物桶の方が古く,すでに奈良時代の平城京趾から数多く出土している。…

【日本建築】より

…こうなると,木目や節が建築の一つの意匠として重んじられる。すでに平安時代から鎌倉時代にかけて,柾目(まさめ),板目といった言葉が現れていることからも,古くから木材にひじょうな関心をもっていたことがうかがわれる。 傾斜のある軒の出た屋根は中国系建築の特色であるが,中国の建築にくらべると日本の建築は軒の反上り(そりあがり)が少なく,さらにその軒の出が深い。…

【木材】より


[性質]
 木材は方向性をもった細胞の集りなので,方向によって性質が異なる異方性をもっている。材軸の方向を繊維方向,樹心から放射した方向を放射方向,年輪円に接するような方向を接線方向と呼び,それぞれの方向に直角な面を木口面,板目面,柾目(まさめ)面と呼んでいる。それぞれの面で細胞の配列状態が違うので外観も異なってくる。…

※「板目」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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