果す(読み)ハタス

デジタル大辞泉 「果す」の意味・読み・例文・類語

はた・す【果(た)す】

[動サ五(四)]
物事を成し遂げる。「約束を―・す」「望みを―・す」
その立場としての仕事をみごとにやってのける。「指導的役割を―・す」
命を終わらせる。殺す。「―・さずにおくものか」
(動詞の連用形に付いて)すっかり…する。…してしまう。「金を使い―・す」
[可能]はたせる
[類語]遂げる全うする成し遂げる遣り遂げるし遂げるしおおせる遣り通す遣り抜く遣ってのける仕上げる仕立て上げる作り上げる練り上げる物にする叶える成す完遂する

おお・す〔おほす〕【果す】

[動サ下二]おおせる」の文語形

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「果す」の意味・読み・例文・類語

はた・す【果】

  1. 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
  2. [ 一 ]
    1. なしとげる。目的を達する。きまりをつける。
      1. [初出の実例]「大太刀を 垂れ佩(は)き立ちて 抜かずとも 末婆陀志(ハタシ)ても 逢はむとぞ思ふ」(出典:日本書紀(720)武烈即位前・歌謡)
      2. 「年比思ひつること、はたし侍りぬ」(出典:徒然草(1331頃)五二)
    2. 神仏への願い事がかない、願ほどきのお礼参りをする。
      1. [初出の実例]「住吉の御願かつがつはたし給はむとて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜下)
    3. 結果を得る。物事を終える。事を収める。
      1. [初出の実例]「しかれば、稽古する所の因疎かなれば、果を果す事も難し」(出典:風姿花伝(1400‐02頃)七)
    4. 命を終わらせる。殺す。
      1. [初出の実例]「周の成王の紂をはたされた時にたすけられたぞ」(出典:玉塵抄(1563)一七)
  3. [ 二 ] 動詞の連用形に付けて補助動詞として用いる。すっかり…し終える。…し尽くす。
    1. [初出の実例]「ヨミ fatasu(ハタス)。〈略〉カキ fatasu(ハタス)」(出典:日葡辞書(1603‐04))

おお・すおほす【果・遂】

  1. 〘 他動詞 サ行下二段活用 〙おおせる(果)

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