柴犬(読み)シバイヌ

デジタル大辞泉 「柴犬」の意味・読み・例文・類語

しば‐いぬ【×柴犬】

日本犬の一品種。小形で、毛色は褐色のものが多い。本来はキツネアナグマ用の猟犬だが、家庭犬としても重用される。しばけん。

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精選版 日本国語大辞典 「柴犬」の意味・読み・例文・類語

しば‐いぬ【柴犬】

  1. 〘 名詞 〙 イヌの品種。日本特産で、体高四〇センチメートルぐらいの小形種。耳は小さく三角形で直立し、尾は太い。毛は短く、褐色のものが多い。産地は長野県のほか岐阜県、鳥取県島根県など。元来は小動物の狩猟用だが愛玩犬、番犬とする。しば。
    1. [初出の実例]「柴犬は運命論者じみたところがあって」(出典:禽獣(1933)〈川端康成〉)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「柴犬」の意味・わかりやすい解説

柴犬
しばいぬ

哺乳(ほにゅう)綱食肉目イヌ科の動物。家畜イヌの1品種で、日本在来の小形犬。1928年(昭和3)の日本犬保存会設立時に、在来犬を体格別に大形、中形、小形犬に分類し調査が実施されたが、柴犬は小形日本犬として標準がつくられた。文化庁は在来家畜を天然記念物に指定し、保存運動を行っているが、柴犬は1936年に天然記念物に指定された。以前は小形日本犬と称されていたが、現在は柴犬として犬種団体も呼称している。

 日本犬の渡来については、北方から渡来したものや、南方から渡来したものなどが考えられている。柴犬は南方系に属し、東南方面などから渡来したものとみられ、パリア犬に近いものと思われる。現在ニューギニア島山地に野生するニューギニアシンギングドッグなどは、毛色、体形、体格などがきわめて柴犬に似る。

 中部、北陸、長野、山陰、四国などの各地方にそれぞれ系統があり、美濃(みの)柴、越後(えちご)柴、信州柴、山陰柴などと産地の名称をとってよばれたが、第二次世界大戦後の改良普及期に信州柴が主力を占め、系統別の地域差はみられなくなった。柴犬の語源については、毛色が柴に似ているからとか、柴をくぐって駆けるからとかいわれている。小さくとも性質剛胆動作俊敏で、体質は強健である。手ごろな大きさと扱いやすさのため、著しく愛好者を増やし、北欧アメリカ合衆国にも進出し、その性能を高く評価されている。体高35.5~41.5センチメートル。毛色は赤、胡麻(ごま)、ブラックエンドタン、白などである。

[増井光子]

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改訂新版 世界大百科事典 「柴犬」の意味・わかりやすい解説

柴犬 (しばいぬ)

小型日本犬を総称する犬種名で,産地により美濃柴,信州柴,石州柴などと呼ばれる獣猟犬,番犬。東北地方南部から関東,中部,山陰の各地方に広く分布し,縄文,弥生の時代から飼われてきた犬といわれる。山岳地帯や交通不便な山里で純粋性が維持され,美濃柴,信州柴などが最も有名。1936年に天然記念物に指定されたが,第2次世界大戦を経て激減し,また雑種化が著しく進んだ。戦後わずかに残存した島根,四国,山梨などの柴犬を基に再興がはかられ,現在の小型日本犬を見るに至った。毛色はごま,赤,虎,白,黒色。耳は三角で小さい立ち耳。尾は巻尾で,小型ながら筋骨はたくましく,よき家庭犬でもある。体高は雄約39cm,雌約36cm。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「柴犬」の意味・わかりやすい解説

柴犬
しばいぬ

イヌの1品種。小型日本犬に属する。敏捷軽快で,狩猟犬としてテン,ウサギ,イタチ,キツネ猟に用いられるほか,愛玩犬,番犬としても飼われている。かつては中部山岳地帯や山陰地方の山村に純粋種が多く残存していたが,現在は全国的に散在している。体高は雄 38~41cm,雌 35~38cm。尾は太く,差尾または巻尾。毛色は赤褐色がほとんどで,まれに黒色のものもある。

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百科事典マイペディア 「柴犬」の意味・わかりやすい解説

柴犬【しばいぬ】

イヌの一品種。肩高35〜39cm。敏捷(びんしょう)で嗅覚(きゅうかく)が鋭い。毛色は赤褐色のものが多く,他に黒色,白黒斑など。群馬〜長野,岐阜,鳥取,島根などがおもな産地で,産地により信州柴,美濃柴などと呼ばれる。いずれも山岳地帯でウサギ,タヌキ,アナグマなど小型獣の狩猟犬として用いられた。現在は愛玩犬,番犬として飼われるものが多い。天然記念物。
→関連項目日本犬

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犬&猫:ペットの品種がわかる事典 「柴犬」の解説

しばいぬ【柴犬】

日本原産の小型犬。もとは山岳地帯で小動物や鳥の猟に使われていた。国の天然記念物に指定されている。現在は番犬や家庭犬である。テレビドラマ「家なき子」(1994年)に登場したリュウが、この品種。JKCでは、第5グループ(原始的な犬・スピッツ)に分類する。◇品種の英名はShiba。「しばけん」ともいう。

しばけん【柴犬】

しばいぬ

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