パリア犬(読み)パリアケン(その他表記)pariah dog

デジタル大辞泉 「パリア犬」の意味・読み・例文・類語

パリア‐けん【パリア犬】

pariah dogバルカン半島北アフリカ小アジアイランインド東南アジアなどに分布する野良犬一定品種ではない。

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改訂新版 世界大百科事典 「パリア犬」の意味・わかりやすい解説

パリア犬 (パリアけん)
pariah dog

イエイヌの1品種で食肉目イヌ科に属する。インドから北アフリカに分布。オーストラリア野生するディンゴに似ていて,イエイヌの原種にもっとも近いものと考えられる。体は中型で,尾は垂れて太く,耳が立つ。頭骨の形状はオオカミの小型の亜種のものによく似る。しかし,顔から首,背筋,体側,四肢などの毛は短く,長さはほぼ均一で,首にたてがみ状の長毛をもち,四肢に比べ胴体部分の毛が長いオオカミとは異なる。体色は赤褐色のものが多く,頰下部(きようかぶ)は淡色。群れをなして町や村,あるいはその近くの原野でくらし,いわゆる野良犬的な生活を送る。純粋に野生のものは知られていない。
イヌ
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「パリア犬」の意味・わかりやすい解説

パリア犬
ぱりあけん
pariah dog

哺乳(ほにゅう)綱食肉目イヌ科の動物。東南アジア、インド、中近東、北アフリカなどの路上を半野生の状態で徘徊(はいかい)しているいわゆる野良犬で、腐肉や残滓(ざんし)の掃除屋として暮らしている。ある目的をもって選択淘汰(とうた)されているわけではないので、毛色は変化に富み、耳も垂れ耳のものがいる。しかし、中近東、北アフリカのパリア犬は、中近東や南アジアのオオカミから派生したとみなされていて、典型的なものは立ち耳、垂れ尾、細い四肢、細長くとがった口吻(こうふん)をもち、中形の体格で、淡黄褐色から赤褐色の毛色をし、ディンゴに似るとされている。被毛は短毛である。

増井光子

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犬&猫:ペットの品種がわかる事典 「パリア犬」の解説

パリアけん【パリア犬 Pariah Dog】

北アフリカから東南アジアに分布する野良犬のこと。日本犬祖先といわれている。

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