発行済み株式数に対しての企業の自己資本(株主資本)に対する当期利益(税引後利益)の割合。米国では株主構成に機関投資家が増加し、これらの投資家に「投下した資本に対し、企業がどれだけの利益を上げられるのか」という点が重視された事も背景となり、近年、最も重要視される財務指標となった。企業は、株主資本(自己資本)と他人資本(負債)を投下して事業を行い、そこから得られた収益の中から、他人資本には利子を支払い、税金を差し引いて最後に残った税引利益が株主に帰属するのが原則であり、したがって自己資本利益率は、株主の持分に対する投資収益率を表すことになる。そのため、経営者が株主に対して果たすべき責務を表した指標と見ることができる。また、それは株主に帰属する配当可能利益の源泉となるものであり、配当能力を測定する指標として使われる。自己資本収益率は株式の投資尺度としても重要である。BPS(一株当たり純資産)が所与とすれば、自己資本利益率を高めることはEPS(一株当たり利益)の上昇につながり、将来的な企業利益上昇の期待から株価上昇につながる(企業の将来価値を金利等で割り引いた、企業の現在価値の上昇につながる)。別名、ROE(Rate of Return On Equity)=自己資本利益率[じこしほんりえきりつ]とも呼ばれる。
Return On Equity(ROE)ともいう。税引き後純利益÷株主資本 (自己資本) で算出される経営指標。株主資本に対して何%のリターンがあるかを判断する指標で、昨今ではもっとも重要視されている経営指標のひとつ。日本企業は従来内部留保を美徳とする傾向が強かったが、過剰資本の企業ではROEが低くなるため、不必要に余剰資金を抱え込むのであれば配当の増額や自社株買いなどによって株主に返還すべきという風潮が強くなってきている。