核兵器廃絶国際キャンペーン(読み)かくへいきはいぜつこくさいきゃんぺーん(英語表記)International Campaign to Abolish Nuclear Weapons

知恵蔵miniの解説

核兵器廃絶国際キャンペーン

核兵器の非合法化と廃絶を目指して活動する国際NGO。英名の「International Campaign to Abolish Nuclear Weapons」から「ICAN」と略される。本部はスイスのジュネーブ。賛同団体は2017年10月時点で101カ国468団体。「核戦争防止国際医師会議」(IPPNW)のオーストラリアにおける運動から派生し、07年、オーストリアのウィーンで正式に発足する。「日本原水爆被害者団体協議会」(日本被団協)や日本の「ピースボート」を含む各国の平和団体と連携して各国政府や市民社会に働きかけ、核の非人道性を訴え続けている。17年10月、同年7月に国際連合で採択された「核兵器禁止条約」の成立に大きく貢献したとして、ノーベル平和賞を受賞した。

(2017-10-11)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

核兵器廃絶国際キャンペーン
かくへいきはいぜつこくさいきゃんぺーん
International Campaign to Abolish Nuclear Weapons

核兵器の廃絶を目ざす世界の非政府組織(NGO)や市民団体の連合体。英語の頭文字をとってICAN(アイキャン)と略称する。国連での核兵器禁止条約の制定に「主導的役割を果たした」として2017年にノーベル平和賞を受賞した。核軍縮関連の同賞受賞は2009年に「核兵器なき世界」を唱えたアメリカ大統領オバマ(当時)以来となる。
 核兵器廃絶国際キャンペーンは、1985年にノーベル平和賞を受賞した核戦争防止国際医師会議(IPPNW)を母体にオーストラリアで活動を開始。2007年にオーストリアのウィーンで正式に発足した。事務局長はスウェーデンの法律家ベアトリス・フィンBeatrice Fihn(1982― )で、本部をスイスのジュネーブに置く。平和・反戦運動の象徴である赤色のピースマークとミサイルを折ったデザインとの組合せをシンボルマークとしている。世界101か国の468のNGO(2017年10月時点)からなる連合体で、日本の日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)などと連携し、核軍縮関連の国際会議へのNGOの参加を促し、核兵器禁止条約を求める国際的機運を高めた。日本のNGOではヒューマンライツ・ナウ、核戦争防止国際医師会議日本支部、ピースボートなどが参加し、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世、芸術家のオノ・ヨーコら多くの著名人が活動に賛同している。
 なお2017年に採択された核兵器禁止条約は核兵器を違法とする条約で、核兵器の開発、実験、製造、保有、移譲、威嚇としての使用を禁じている。国連の122か国が条約制定に賛成したが、アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国の核5大国のほか、アメリカの「核の傘」の下にある日本や韓国は交渉に参加しなかった。日本政府は核兵器廃絶国際キャンペーンのノーベル平和賞受賞について祝意を表しながらも、「核廃絶というゴールは同じだが、アプローチは異なる」との立場をとっている。[矢野 武]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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