植木類の生産管理、庭木・生け垣類の根群更新のために用いる断根剪定(せんてい)の一種。目的は(1)苗木の地上部の徒長抑制、(2)側根や細根を集中的に発生させ活着のよい苗木にする、(3)根群が多く根づまり状態になったものに新根を発生させる、などである。(1)の場合、常緑樹やつる植物は生育が旺盛(おうせい)で、徒長しやすく花芽がつきにくいので、根切りすることによって養水分の吸収力の強い根の栄養作用を抑制するものである。早春(2~3月)に幹から0.6~1メートル離れたところをスコップなどで深く切断する(樹齢、大きさにより差がある)。(2)は側根を切断することとあわせて、固くなった土中に空気を入れて根張りをよくする効果もある。さらに、しっかりした形の苗木にするため、根揚げと称してスコップなどですこし持ち上げるようにした根切り方法もある。(3)は生け垣や小低木の植え込みなどに用いる。樹勢の回復を図るには、幹からすこし離れたところを掘って新しい用土や堆肥(たいひ)を入れ、新根の発生を促してやる。
これらの処置はいずれも休眠期に行う。なお、植木類では移植を行うために根回しという方法も用いられる。
[堀 保男]
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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