椋鳩十(読み)ムクハトジュウ

デジタル大辞泉 「椋鳩十」の意味・読み・例文・類語

むく‐はとじゅう〔‐はとジフ〕【椋鳩十】

[1905~1987]児童文学作家。長野の生まれ。本名、久保田彦穂ひこほ自然や野生動物をテーマとする作品を多く書いた。作「片耳大鹿」「孤島野犬」「大造じいさんとガン」など。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「椋鳩十」の意味・読み・例文・類語

むく‐はとじゅう【椋鳩十】

  1. 作家、児童文学者。長野県出身。本名、久保田彦穂。初め、自然との一体感を描いた浪漫的な山窩(さんか)小説を書き、昭和一〇年代からは少年のための動物小説を書くようになった。代表作に「山の天幕」「孤島の野犬」など。明治三八~昭和六二年(一九〇五‐八七

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

20世紀日本人名事典 「椋鳩十」の解説

椋 鳩十
ムク ハトジュウ

昭和期の作家,児童文学者



生年
明治38(1905)年1月22日

没年
昭和62(1987)年12月27日

出生地
長野県下伊那郡喬木

本名
久保田 彦穂(クボタ ヒコホ)

学歴〔年〕
法政大学国文科〔昭和5年〕卒

主な受賞名〔年〕
サンケイ児童出版文化賞(第11回)〔昭和39年〕「孤島の野犬」,国際アンデルセン賞国内賞(第3回)〔昭和40年〕「孤島の野犬」,モービル児童文化賞〔昭和43年〕,赤い鳥文学賞(第1回)〔昭和46年〕「マヤ一生」「モモちゃんとあかね」,児童福祉文化賞(奨励賞)〔昭和46年・47年〕,学校図書館賞〔昭和46年〕,芸術選奨文部大臣賞(文学・評論部門 第33回)〔昭和57年〕「椋鳩十の本」「椋鳩十全集」

経歴
大学在学中、豊島与志雄師事。佐藤惣之助主宰の「詩之家」同人となり、詩集「駿馬」(大正15年)「夕の花園」(昭和2年)を刊行。5年から鹿児島に移り、教員生活をしながら山窩小説を書き、「山窩調」(8年)などを刊行。この時から椋鳩十の筆名を使用。13年頃から「少年倶楽部」に動物小説を書き、18年「動物ども」を刊行。戦後26年の短編集「片耳の大鹿」で文部大臣奨励賞を受賞。その後も旺盛な創作活動をつづけ、代表作に「大空に生きる」「孤島の野犬」「マヤの一生」「モモちゃんとあかね」「ネズミ島物語」「けむり仙人」などがある。この間、22年鹿児島県立図書館長に就任し、“母と子の二十分間読書運動”を提唱、全国的な反響を呼んだ。42〜53年ぶ鹿児島女子短期大学教授もつとめた。57年「椋鳩十の本」(全25巻・補巻 理論社)「椋鳩十全集」で芸術選奨を受賞した他、赤い鳥文学賞など受賞多数。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「椋鳩十」の意味・わかりやすい解説

椋鳩十
むくはとじゅう
(1905―1987)

児童文学作家。本名久保田彦穂(ひこほ)。長野県生まれ。法政大学国文科卒業後、鹿児島に渡り、女学校の教員を勤める。1947年(昭和22)から66年まで鹿児島県立図書館長。初め詩人として出発したが、少年時代の長野の山歩きの体験から野生動物に関心を抱くようになり、38年『少年倶楽部(くらぶ)』に『山の太郎ぐま』を発表。以後、児童を対象とする動物文学に専念する。男性的で格調高い文体にのせて、生きることへの憧憬(しょうけい)と人間への信頼を伝え、多くの読者を獲得した。52年『片耳の大鹿(おおしか)』で文部大臣奨励賞、70年『マヤの一生』で赤い鳥文学賞を受賞した。

[松田司郎]

『『椋鳩十の本』全25巻(1982・理論社)』『『片耳の大シカ』(偕成社文庫)』『『マヤの一生』(講談社文庫)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「椋鳩十」の解説

椋鳩十 むく-はとじゅう

1905-1987 昭和時代の児童文学作家。
明治38年1月22日生まれ。はじめ山窩(さんか)小説をかき,昭和13年から「少年倶楽部(クラブ)」に動物小説を発表。代表作に「片耳の大鹿」「孤島の野犬」などがある。鹿児島県の加治木高女教員,県立図書館長,県立女子短大教授。昭和62年12月27日死去。82歳。長野県出身。法大卒。本名は久保田彦穂。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「椋鳩十」の意味・わかりやすい解説

椋鳩十
むくはとじゅう

[生]1905.1.22. 長野,喬木
[没]1987.12.27. 鹿児島
小説家,児童文学者。本名,久保田彦穂。 1930年法政大学国文科卒業。『山窩調』 (1933) などの山窩小説で出発したが,のち児童文学に転じた。『山の太郎熊』 (38) 以下『孤島の野犬』 (63) ,『ネズミ島物語』 (73) などの動物小説を次々に発表した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

事典・日本の観光資源 「椋鳩十」の解説

椋鳩十

(鹿児島県熊毛郡屋久島町)
かごしま よかとこ100選 浪漫の旅」指定の観光名所。

出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報

367日誕生日大事典 「椋鳩十」の解説

椋 鳩十 (むく はとじゅう)

生年月日:1905年1月22日
昭和時代の児童文学作家
1987年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android