昭和期の作家,児童文学者
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報
児童文学作家。本名久保田彦穂(ひこほ)。長野県生まれ。法政大学国文科卒業後、鹿児島に渡り、女学校の教員を勤める。1947年(昭和22)から66年まで鹿児島県立図書館長。初め詩人として出発したが、少年時代の長野の山歩きの体験から野生動物に関心を抱くようになり、38年『少年倶楽部(くらぶ)』に『山の太郎ぐま』を発表。以後、児童を対象とする動物文学に専念する。男性的で格調高い文体にのせて、生きることへの憧憬(しょうけい)と人間への信頼を伝え、多くの読者を獲得した。52年『片耳の大鹿(おおしか)』で文部大臣奨励賞、70年『マヤの一生』で赤い鳥文学賞を受賞した。
[松田司郎]
『『椋鳩十の本』全25巻(1982・理論社)』▽『『片耳の大シカ』(偕成社文庫)』▽『『マヤの一生』(講談社文庫)』
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