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植崎九八郎上書 うえざきくはちろうじょうしょ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

植崎九八郎上書
うえざきくはちろうじょうしょ

天明7 (1787) 年3月,小普請組永井監物 (けんもつ) 支配の御家人植崎九八郎松平定信の老中就任に際し提出した政務上の建議書。1通。田沼意次の政治を糾弾,弊政一新,人材登用,風俗取締りなど 10項目あまりを献策,定信の新政に期待を寄せた。『日本経済大典』所収。

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世界大百科事典 第2版の解説

うえざきくはちろうじょうしょ【植崎九八郎上書】

江戸幕府小普請組の旗本植崎九八郎政由(まさより)が,1787年(天明7)松平定信の老中就任に際し,前代の田沼政治をきびしく批判し,幕政刷新を訴えた上書。10項目余の内容からなり,人材登用,銭相場の引上げ,百姓離村の防止,風儀取締りなど多岐にわたっている。しかし改革政治が彼の期待とは異なる方向へ展開したため,今度は1801年(享和1)将軍徳川家斉に改革政治批判をまとめた《牋策(せんさく)雑収》を上呈した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

植崎九八郎上書
うえざきくはちろうじょうしょ

寛政(かんせい)の改革(1787~93)の際、幕府小普請組(こぶしんぐみ)の植崎九八郎政由(まさより)が書いた江戸幕政についての意見書。1787年(天明7)7月付けの建白である。田沼(たぬま)政治に不満をもっていた幕臣の立場から、政治の刷新を期待し、改革政治の課題を率直に論じている。すなわち前代の老中田沼意次(おきつぐ)の政治を痛烈に批判し、年貢負担の軽減、綱紀の粛正、人材の登用、物価の引き下げ、消費の抑制、農業人口減少の防止などを主張している。当時は上書ブームであり、儒者大塚孝威の「救時策」や下駄屋甚兵衛(げたやじんべえ)の上書などとともに、寛政の改革に寄せる期待の大きさをうかがうことができよう。なおその期待が十分に実現されなかったため、のちに植崎は『牋策雑収(せんさくざっしゅう)』1巻を書き、松平定信(さだのぶ)の改革政治をも批判している。ともに『日本経済大典』第20巻に所収。[竹内 誠]

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