権利義務の変動(発生・変更・消滅)により、法律効果を生ずる原因となる生活関係をさす。たとえば「売ります」、「買います」という合意によって、契約という法律関係が生ずる。契約が成立すると、売り主の権利移転義務、買い主の代金支払い義務という法律効果が生ずる。契約の際に「これこれの要件が備わるときは」というときの要件の部分が法律要件にあたる。契約という法律要件は、契約の申込み(たとえば「売ります」)と承諾(「買います」)という双方の意思表示(法律事実)を、また相続という法律要件は人の死亡というできごと(法律事実)を素因としている。
[伊藤高義]
『内田貴著『民法Ⅰ 第4版 総則・物権総論』(2008・東京大学出版会)』
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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