日本大百科全書(ニッポニカ) 「CIAM」の意味・わかりやすい解説
CIAM
しあむ
Congrès Internationaux d'Architecture Moderne(フランス語)の略称。近代建築国際会議。工業化と都市化を進める近代社会を背景にして、それに充足する合理的建築を推進させようとした建築家の国際的な連合組織。1928年、ギーディオンやル・コルビュジエを中心に、スイスのラ・サラの城館で結成された。「ラ・サラ宣言」において新時代の建築家の役割が確認されたのち、第二次世界大戦を挟んで各都市で10回の会議がもたれた。なかでも、都市の機能を「住居」「余暇」「労働」「交通」の四つに還元して整理づけた1933年第4回会議における「機能的都市」の綱領が知られている。新時代に向けての数々の提唱には評価すべきものがあったものの、近代合理主義がかならずしも生々しい都市の現実のすべてに即応できないことも時代とともに判明し、1956年第10回の会議において解体のやむなきに至った。
[高見堅志郎]