橘周太(読み)タチバナシュウタ

デジタル大辞泉 「橘周太」の意味・読み・例文・類語

たちばな‐しゅうた〔‐シウタ〕【橘周太】

[1865~1904]陸軍軍人長崎の生まれ。日露戦争中、大隊長として首山堡の争奪戦戦死海軍広瀬武夫中佐と並んで「軍神橘中佐」と称された。

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精選版 日本国語大辞典 「橘周太」の意味・読み・例文・類語

たちばな‐しゅうた【橘周太】

  1. 陸軍軍人。長崎出身。日露戦争中、大隊長として首山堡の争奪戦で戦死。「軍神橘中佐」として、海軍の広瀬中佐と並び称された。

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20世紀日本人名事典 「橘周太」の解説

橘 周太
タチバナ シュウタ

明治期の陸軍軍人 陸軍中佐。



生年
慶応1年9月15日(1865年)

没年
明治37(1904)年8月31日

出生地
肥前国南高来郡千々石村(長崎県)

学歴〔年〕
陸士(旧9期)〔明治20年〕卒

経歴
明治20年少尉となり、24年東宮武官、28年大本営付、30年戸山学校教官、35年少佐昇進と同時に名古屋陸軍地方幼年学校長に就任。その間「新兵教育」「歩兵夜間教育」「森林通過法」を著した。37年日露戦争開始と共に第2軍管理部長、ついで歩兵第34連隊第1大隊長となり、同年8月遼陽近郊の首山堡攻撃を指揮重傷に屈せず奮戦し戦死。死後、海軍の広瀬武夫中佐と並び“軍神橘中佐”と称賛された。軍歌小学唱歌にうたわれ、軍国主義シンボルとなった。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「橘周太」の意味・わかりやすい解説

橘周太 (たちばなしゅうた)
生没年:1865-1904(慶応1-明治37)

日露戦争の軍神とされた陸軍軍人。肥前国生れ。1887年陸軍士官学校卒業,91-95年東宮武官として皇太子奉仕,1902-04年名古屋地方幼年学校長として謹直な人格を慕われた。日露戦争に第2軍管理部長として出征,職務上田山花袋ら多くの従軍記者が接してその人格に傾倒し,歩兵第34連隊大隊長として遼陽会戦に戦死すると,軍神橘中佐としてその名が広められた。
執筆者:

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「橘周太」の解説

橘周太 たちばな-しゅうた

1865-1904 明治時代の軍人。
慶応元年9月15日生まれ。東宮武官,戸山学校教官,名古屋地方幼年学校長を歴任。明治37年日露戦争に歩兵第三十四連隊大隊長として出征,8月31日遼陽(りょうよう)の会戦で戦死した。40歳。死後中佐に進級,また負傷しながらの奮戦がたたえられて軍神としてあがめられ,橘神社が創建された。肥前高来郡(長崎県)出身。陸軍士官学校卒。

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朝日日本歴史人物事典 「橘周太」の解説

橘周太

没年:明治37.8.31(1904)
生年:慶応1.9.15(1865.11.3)
明治期の陸軍軍人。長崎生まれ。日露戦争の激戦のひとつ遼陽の戦(1904)に歩兵大隊長として臨み戦死。陸軍の軍神第1号とされ中佐に進級,新聞報道などを通じ戦意高揚に利用された。日露戦争後小学校教科書に「橘中佐」が掲載され,軍人の鑑として流布した。

(田中宏巳)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

367日誕生日大事典 「橘周太」の解説

橘 周太 (たちばな しゅうた)

生年月日:1865年9月15日
明治時代の陸軍軍人
1904年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の橘周太の言及

【石光真清】より

…熊本城下に生まれ,神風連の乱,西南の役での敗残の美質の人々,戦火に翻弄され苦しむ人々を身近に目撃。1883年陸軍幼年学校に入り橘周太(日露戦争時の〈軍神〉)に兄事。89年士官学校卒。…

【軍神】より

…なかでも八幡大神は源氏の人々が格別の崇敬を払ったことから,最も広く軍神として崇拝されてきた。【大原 康男】
[近代日本の軍神]
 戦死した軍人のなかでとくに軍人のかがみとして神格化された存在で,日露戦争時の海軍の広瀬武夫中佐,陸軍の橘周太中佐がその最初であるが,一般兵士に軍神の称が冠せられたことはない。1869年(明治2)に東京九段に招魂社(1879年に靖国神社と改称し別格官幣社に列した)が創建され,戊辰戦争以来の官軍の従軍戦没者全員が祭神として合祀されて以後,従軍戦没者はすべて靖国の神として祭られることになった。…

【橘湾】より

…長崎県南部,長崎半島と島原半島に挟まれた海域。日露戦争で功績があった橘周太中佐(湾岸の千々石(ちぢわ)町出身)の名にちなんで命名された。千々石湾ともいう。…

※「橘周太」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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