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死線を越えて しせんをこえて

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

死線を越えて
しせんをこえて

賀川豊彦が 1920年に出版した,キリスト教社会主義思想を背景にした自伝的社会小説。文壇での評判は悪かったが大衆には好評で,初版 5000部は即日売切れ,150版を重ねたという。

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デジタル大辞泉の解説

死線(しせん)を越えて

生死を考えずに。決死の覚悟で。
[補説]大正9年(1920)刊の賀川豊彦の小説の題名から。

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世界大百科事典 第2版の解説

しせんをこえて【死線を越えて】

賀川豊彦長編小説。1920年(大正9)《改造》に途中まで連載の後,改造社より刊行。神戸葺合新川において隣人愛を実践し貧民救済に尽力した主人公の半生記の形をとっている。3人の女を含む登場人物の設定には虚構が試みられているが,主人公の新川生活自体はおおむね自伝的叙述に従っている。主人公をキリストになぞらえようとする理想化のあり方など小説作法に通俗的傾斜があり,文壇からは批判を浴びたが,キリスト教社会主義の伝統をくむこの〈社会小説〉(広告文)は,当時の宗教文学ブームにのってベストセラーとなった。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

死線を越えて
しせんをこえて

賀川豊彦(かがわとよひこ)のルポルタージュ小説。1920年(大正9)1~5月に前半を『改造』に連載、後半を加えて10月改造社から刊行、ベストセラーとなる。内容は、作者を思わせる主人公新見栄一の半生記である。彼はさまざまな精神の遍歴を経たのち、神戸葺合(ふきあい)新川の貧民窟(くつ)に入り、キリスト教の伝道に努め、貧民救済や労働争議に献身する。キリスト教的社会主義の立場から現実の社会問題をルポルタージュの形で取り上げたところに、この作品の時代的意味がある。後続する『太陽を射るもの』(1921)、『壁の声きく時』(1924)と三部作をなす。[関口安義]
『『死線を越えて』(1975・キリスト新聞社)』

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世界大百科事典内の死線を越えての言及

【改造】より

…創刊当初は明確な編集方針をもたず発行部数3万部(定価35銭)のうち多くが返品されたが,4号から当時の社会改造思想を正面にすえた特集を組み,多くの読者をつかんだ。20年賀川豊彦の連載《死線を越えて》を単行本化して成功。B.ラッセル,サンガー夫人,アインシュタインなどの外国知識人を招いたり,プロレタリア文学流行期にはそれに多くの誌面を割くなど,つねに時代の新思潮を敏感にとらえ大正末年には《中央公論》とならぶまでに成長した。…

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