段成式(読み)ダンセイシキ

関連語 現存 酉陽

日本大百科全書(ニッポニカ) 「段成式」の意味・わかりやすい解説

段成式
だんせいしき
(803?―863)

中国、晩唐の小説家、詩人。字(あざな)は柯古(かこ)。臨淄(りんし)(山東省)の出身。博覧強記の人で、家蔵の珍籍に加え、穆宗(ぼくそう)のときに宰相を務めた父の縁故で校書郎(書物校正係)に任命されたため、宮中の図書を自由に閲覧できた。その結果できたのが随筆集『酉陽雑俎(ゆうようざっそ)』で、当時の外交や政治の秘聞から民間習俗、科学記事までが書き留められており、唐代を研究するための傑出した資料となっている。詩人としても李商隠(りしょういん)、温庭筠(おんていいん)と並んで盛名をはせ、その詩集は七巻あったというが、いま『全唐詩』に31首余を伝えるのみである。

[野口一雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「段成式」の意味・わかりやすい解説

段成式
だんせいしき
Duan Cheng-shi

[生]?
[没]咸通4(863)
中国,晩唐の学者,文学者。青州,臨 淄 (りんし。山東省) の人。字,柯古。名家の出で,父は宰相の段文昌。父の功績によって秘書省校書郎となり,その後吉州刺史,太常少卿などを歴任,晩年は襄陽 (湖北省) に住んだ。博聞強記で,家伝の膨大な蔵書や,宮中の秘書から得た知識をもとに,『酉陽雑俎 (ゆうようざっそ) 』を著わした。詩文でも高名で,特に温庭 筠親交が深かった。詩は 56首が現存。

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世界大百科事典(旧版)内の段成式の言及

【酉陽雑俎】より

…中国,晩唐時代,段成式(803?‐863)の異聞雑記集。前集20巻,後集10巻。…

※「段成式」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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